「乾杯」
3人ともお酒が苦手なのでジュースで乾杯する。そして用意したオードブルにそれぞれ箸を伸ばした。
「久しぶりにテスター復活だね」
楓が嬉しそうに言う。
「最近は、会員の要望が過激になってるからどこまでやれるかを見極めるためにもテスターは必要だったしね」
理沙が言葉を続けた。
「データー上、あのテスターは私達とほぼ同じ年齢だから、問題は無いと思う」
私がそう言うと、二人は驚いた様子だった。
「本当に?もしかして不老不死?」
「それは分からないけど、これからの研究課題かな」
「会員をあのオブジェみたいにできるようになる?」
「それは難しいかも。長期間、薬漬&調教が必要だし、そこに行くまでに壊れる可能性が今の所高い」
「何れにしても、これからの研究次第よ」
私はそう締め括った。やがてオードブルが全て無くなってしまった。
「さあ、テスターを部屋に案内しよう」
私がそう言うと、楓が聞いてきた。
「あのテスター、お姉ちゃんなんでしょう?何か思うところあるの?」
「別に。思い出はないし、あんな状態だし。でも、妹が姉を・・と言う状況は楽しみかも。
この状況を用意してくれた佳奈さんには感謝してる」
私はそう答えていた。
「ふーん。そうなんだ。そんなものだよね」
楓は納得をした様子だった。