0071名無しさん@ピンキー
2019/10/12(土) 17:39:29.15ID:PwzbApZS0部屋の外で暫く待機していた私は、呼ばれて部屋に入った。
「今日から彼女にテスターとしてこのクラブで働いてもらいます。長らくテスターが不在でしたが、これでクラブをより充実させることができるでしょう」
「えっと・・・沙織です。よろしくお願いします・・・」
事前に偽名でも良いと千晶さんに言われてたけど、思いつかず結局本名を言ってしまった。
パチパチパチパチッ・・・
スタッフの人達の拍手を聞き、少しだけ安心した。
「ミーティングは、ここまで。梓さん、彼女を案内してあげて」
「分かりました」
ミーティングが終わり、次々とスタッフの人達が部屋を出ていく。
「これから宜しく」
「頑張ってね」
全てのスタッフの人達から私は声をかけられた。
「それじゃあ、行きましょうか」
最後に、梓さんが私に声をかけてきた。梓さんの後に続いて、部屋を出るとエレベーターに乗り込んだ。
「あなた、テスターになったんだ。なんとなくそんな気はしてたんだけど・・・」
「そうなんですか・・!」
「間違いなくクラブにはプラスなことだから、頑張ってね」
「あの・・・梓さんもこのクラブの元会員なんですよね。どれぐらい、ここに通ってるんですか?」
私は、気になっていたことを質問した。
「それはヒ・ミ・ツ。プライベートなことは言わない、聞かないというのがここのルールよ」
そんな会話をしているうちに、エレベーターが停止した。
「このフロアーがあなたの働く場所よ。テスターが本業だから、ここは仮の職場ということになるかな」
梓さんが、そう言った。