場所としてはその、自慰防止板なんだろうけど、
そこは最初から中の奥深くにローターとカテーテルをを受け入れるつもりでつくられたこの貞操帯のこと。
特にスリットから陰唇を引き出すこともしないし、
防止板からの、つまりカテーテル以外からの排尿のためのブツブツした穴が開いてもいない。
パチンと填めこむとおしっこの栓共々中でロックが掛かって、
後はただただのっぺりした板の手前側にポツンとカテーテル出口にあたる穴と、そこを塞ぐ尿栓のつまみがあるだけ。
一応さっきピアス受けにつないだ陰核を隠す役目もあるから、自慰防止板でもいいのかな。
もっとも。
横にまっすぐ貫くように異物を通されて貞操帯そのものに文字通り据え付けられてしまったそこは
きっとその、自分でするには随分と不自由で、
中のものは中のものでたとえ腰を通るベルトをわずかに揺すろうとも“使われ”ない限りはただそこに置かれる以上の事はない。
もし自慰防止、なんて名前の板がなかったとしても、そんな装具にがっちりと締め付けられた49番さん―――や私にとって、
好き勝手なひとりえっち、なんていうのは既にないことだった。
「あ....それ―――」
実際のところ、おしりの穴の鍵を回した時からもう49番さんの貞操帯は動き始めていて、
こうして曲がったシールドの内側から硬いものをいくつも体の中へ向かって食い込ませてしまった時点で
もう49番さん一人ではこの鋼鉄の板を自分から引き剥がすことはできないようなもの。