私たちにとっての、上着か下着かでいうところの下着。
つまり更衣期間でも外せないほうの枷にはまだまだ数があるものの、
残りはチェーンでお互いを繋ぎながら巻いて填めるだけで、2つの帯に比べたら随分と簡単なつくり。

太もも同士と、腿枷と貞操帯の腰部分の左右とを繋ぎながら腿枷を。
腕枷と胸帯の左右とをつなぎながら二の腕に着ける腕枷を。それから―――

ちょっと、お席からの見栄えはわるくなっちゃうけれど、
いったん拘束台を倒して、49番さんを横にしてしまう。

ぐっとお腹に力を入れたときにぴったり合わせて、つまり普段何もしてないときのサイズより
明らかに絞って作られているこの腹枷は、寝かせてからじゃないとスムーズに付けられない。

ただ、スムーズにっていっても、

「ごめんなさい。ちょっとお腹ひっこめてもらっていい?」

「123でいくよー。1、2、さんっ」

それでも49番さんにも協力してもらわないとサッとは終わらないような細さ。
かといって私たちの白衣やベルトもこのウエストに合わせて仕立てられてるわけで。
もしも腹枷をせずに済んでいたとしても、それはそれで毎日の着替えで毎回苦しむことになる。

あとは腿枷と貞操帯のヒップベルトのチェーンの余ったところを上に持ってきて、腹枷の左右とつなぐのと、
胸帯の前側、ちょうど左右の胸の下あたりから2本、背中側からも2本の合わせて4本のチェーンを腹枷に繋いでおわり。

鎖同士の余裕を比べると、例えば腿枷同士の鎖には割りと余裕があるのに背中側の腹枷と胸帯の間にはあんまり余裕がない。
そうすると、前にかがんだりするのがすごく窮屈になって。
足元から物を持ち上げるときときなんかに、自然といちいちしゃがんでから持ち上げるようになる。

いわゆるスリーサイズにあたるところ全部に枷を填めて体つきを決めつけたり、敏感な場所に悦びや痛みを与えて教育したり、
見た目から中身に至るまでなにもかも矯正しつくすような“矯正下着”。その考え方は枷同士をつなぐ鎖に至るまで変わらない。