「あなたは、その身に科せられた務めと戒めを守り、主人を信じて従い、奴隷を助け支えるよき管理士となることを誓いますか」

「私は、この身に科せられた務めと戒めを守り、御主人を信じて従い、奴隷を助け支えるよき管理士となることを誓います」

「そこに跪きなさい」

両ひざを地面について頭を少し垂れて、手は後手に回したままの姿勢。
昔どこかで見た?というか、何か知っている姿勢なんだけど、どこだっけな。

私が真ん中に置きっぱなしにしてそこを離れたワゴンから、井上主人が最後に残った“下着”を拾い上げて―――

「49番。製隷院すべての主人の名によって、あなたに首輪を授けます」

後に回した手から首輪を巻いて、差し込んだ最後の錠に手をかけて、そのまま腰を落としてじっと49番さんを見て―――

あれ? 私のときもそんなのだったっけ。
差し込まれた錠を首輪ごと片手で押さえながら、開いてる右手でぐいっと上を見させられたような。

ひょっとしたら、主人側の所作はあんまり細かく決まってないのかもしれない。

「あなたとあなたに授けた戒めに、その49の名を記します。これは従順のしるし、

 あなたが管理士の姉妹に加えられ、製隷院のものとなり、主人の忠実なしもべとして、奴隷を作り育てることを表します」


バチン―――