0087名無しさん@ピンキー
2019/10/13(日) 16:43:25.32ID:zMNCGJFR0私の拘束を解いた千晶さんがそう言った。
「あの・・・ラバースーツは脱げないんですよね・・・」
「そうよ。2週間はね」
(ラバースーツを着たままで、外へ出るなんて・・・)
私の戸惑いを察したかのように、千晶さんが言った。
「服を着れば、殆ど隠れるとはいえ、ハードルが高いかもね。そう思って準備しておいたわ」
「花粉症対策用のゴーグルと大きめのマスク、後は帽子ね。それとこの白いのは、首に巻くと医療用のコルセットに偽装できるから」
それらを紙袋に入れて、私に持たせてくれた。
「後は、佳奈から預かったあなたの食事よ」
「私の食事ですか・・・?」
「今は、腹部を締め付けているからあまり、食べられないでしょう。そこで用意したのがこれらしいわ。流動食になっていて、味もついてるみたい。
これを必ず毎食1袋摂取するように言っていたわ。これ以外のものも食べるのは良いみたいよ。とりあえずこれで三日分」
そう言って、別の紙袋を渡された。
「これで全部よ。初仕事はどうだった?」
「えっと・・・やっていけそうです・・・」
(本当は、あんな状態が続いたら、やっていく自信がない・・・)
私の曖昧な返事にも千晶さんは笑顔で、労ってくれた。
「そう。明日からも頑張ってね。帰ってゆっくりと休んで」
「はい。千晶さん、さようなら」
そう挨拶をした私は、エレベーターに乗り、下の階にあるロッカールームを目指した。