懲役14年を求刑
所沢の大学生刺殺の男
 
 所沢市小手指町の大学生藤木陽さん=当時(23)=が今年三月、自宅マンシ
ョンで刺殺された事件で、殺人の罪に問われた入間郡三芳町藤久保、無職笹島
弘法被告(23)の論告求刑公判が一日、さいたま地裁(下山保男裁判長)で開
かれた。検察側は「計画的な犯行で、極めて執拗(しつよう)かつ残虐」と懲
役十四年を求刑した。判決公判は来年一月十九日。
 論告などによると、笹島被告は藤木さんを刺殺して放火しようと計画。三月
三日午前五時三十分ごろ、藤木さん方で刃物を振り回し、玄関から逃げた藤木
さんを追い掛け、マンション通路で頭や胸などを刃物で突き刺して殺害したと
される。
 検察側は「返り血を浴びる可能性を考えて、ズボンを重ねて履き、着替え用
のトレーナーを準備するなど用意周到な犯行だった。わいせつ行為を強要され
たという動機は供述を誇張していて極めて不自然。責任回避に余念がなく反省
の情も乏しい」と指摘した。
 弁護側は「藤木さんから十数回にわたって継続的に受けたわいせつ行為から
逃れるため、過剰防衛的に犯行に及んだ。偶発的、衝動的な犯行で、真摯(し
んし)に反省し再犯の恐れはない」と寛大な判決を求めた。
 
http://www.saitama-np.co.jp/news11/02/09x.htm