昔は早死が多く男はあまり育たなかった。
ところは今の時代はよほどのことがないかぎり普通に成人していく。
なのでどうしても男が余ってしまう。
それでありながら俺の親父のように五回も結婚した強者も存在して男余りがますます激しくなる。
そのせいなのか俺のように女を必要としない人種が出てくるのである。
また俺の沢山いる兄や弟のうち何人かは俺と同じようである。
ちなみに俺を産んだ母は二番目の妻で最初の妻の妹である。
が、度重なる出産のせいで俺が一歳の時にはこの世を去り、三度目四度目の結婚をしたのだがやはり出産後この世を去ったのだ。
親父の現在の妻は父より50歳も年下で父の最初の孫より年下であり既に80代の親父の子供を産んでいるのである。
俺も親父の血を引くせいか体力には自信があるがさすがに80代で現役である自信は無い。
ただし注目すべきは子供は全員本妻の子で一度も離婚はしていないことである。
そして過去四人の妻は前にも言ったが俺の母親含め出産で衰弱死しているのである。
いくら出産が危険だといえ普通は出産で死なないだろう。
親父の体力についていけなかったといえばそれまでだがどうも腑におちない。
今後親父は何歳までいきるのだろうか。
いや、その前に現在の奥さんが出産で衰弱死してしまうかもしれない。
あの人も昔から苦労しているからな。
聞いた話だと父親が借金を残して急死して借金返済のために親父の後妻になったらしい。
槽糠の妻といわれた母の姉と立場は違うが異母兄姉によると似た苦労をしているらしい。
ちなみに母の姉の子供は長男を除いて全員養子に出されている。
のちに何人かは母によって戻ってきているが俺達が豪邸でのほほんと育っているのが信じられないほど昔は悲惨だったらしい。
まあ話はこの辺にしよう。