俺は野球部の先輩のスパイクとアップシューズを良く嗅いだなあ。
俺には買えない値段の道具で、たまたま部室にあって、欲しいなと思って手に取った。
かっこいいデザインだと見ていたが、何故か興奮したのが不思議で仕方なく、今でもあの時の心臓の高鳴りを覚えている。
普通なら嫌な匂いなのに、鼻を付く匂いが嫌では無かった、思い切って鼻をあてがうと、興奮度合いは高まった。
何時の間にか嗅いでは深呼吸、嗅いでは硬くなった竿を扱いていた。
あのエナメルの質感とか革の質感がたまらなく、また蒸れた匂いが無性に興奮した、憧れで怖い先輩のだったから、なおさら強い憧れになったのかも。今では匂い無しでは雄を感じなくなってしまった。