部活のメンバーで二泊三日の旅行に行った時のこと。
大広間で雑魚寝をしていた。
俺は、タメと夜ぶっ通しで遊んでいたのだが、疲れてしまったので朝の6時くらいにようやく大広間に一人で戻った。
もちろん、本命の後輩の隣の布団へ。まるで子供のようでありながら綺麗な寝顔であった。
…キスしてぇ。
俺は唐突にそう思った。ウブなあいつは、まだキスなんてしたことないんだろうな。
しかし、もう朝である。起きる可能性もなくもない…
とりあえず、その柔らかい頬に触れる。軽く反応したが起きはしない。
…やるしかねぇ。
しかし、そこでヘタレなのが俺。まずは額にキス。起きない。
頬にキスする。しかし、起きない。
俺は迷った。どうする?周りにバレはしないか?これだけやっててコイツは起きないか?
俺は覚悟を決めた。恐る恐るアイツの上にかがみ込む。どんどんアイツの顔が近くなる。
キスをした。直後に自分の布団の中に潜り込む。どうやらアイツは起きなかったようだ。
柔らかい感触を思い出す。キスってあんななんだな。柔らかくて…気持ち悪くて…気持ちいい。
アイツの唇、あんなに魅力的だったんだな。
これが二日目の朝だった。