「日本のテレビ漫画に物申す」
与謝野 昌子(主婦 46歳 東京都)
某女性団体が、「日本のアニメは男尊女卑を肯定的に描いており、女性の権利と安全を保証しつつ、女性の社会進出を促そうという世界の流れに反している」とする抗議文を、テレビ漫画を制作する数社に対して提出したという。
私もその意見に賛成だ。
私自身が、児童養育の職業にも携わっている関係上、日本のテレビ漫画を何作も自身の目で観てきたが、いずれも酷い内容のものばかりであった。
例えば、最近では真夜中に若者向けのテレビ漫画が放送されているが、その多くは成人にも達していない女性たちを、明らかに男たちの性的欲求の捌け口として描いている。
また、休日の朝に放送されている、主に女性児童向けの漫画作品では、将来ある少女たちが、現実にはあり得ない理由から、戦士になって戦わされるという内容になっている。
いくら女男共同参画が日本社会の命題であるとはいえ、それを逆用して女性に戦いを強いるとは、まったく図々しいにも程がある。
戦争にまで女性が進出する必要は無い。
無意味な争いなどは男同士でやっていればいいだけで、女性たちが進出するのは、あくまで平和な社会でなければならない。
しかも、幼い女性たちが主な視聴者層である番組でそのような描写をするなど、いったいどのような魂胆があるのか。
女男共同参画の意味を本当に理解していないのか。
さらに、朝のテレビ漫画に登場する少女たちも、深夜のテレビ漫画に劣らず性的な姿で描かれている。
「戦争・女性・性」の3つの要素が揃った時点で、制作者たちの現実認識の欠如がよく分かる。
実際、海外の紛争地では、幼い女性たちが拉致されて性的に陵辱され、あるいは少女兵として望みもしない戦場で使い捨てにされている。
そして、いまや世界中に輸出されている日本のテレビ漫画が、そうした悲惨な現状に拍車をかけていることは明白だ。
平和な女性社会を志向する我が日本が、世界に争いと女性差別をばら撒いている。制作者たちはこのことを恥じ、自ら戦地へ赴いて女性たちに謝罪せよ。