ビデオリサーチ 視聴率、録画も把握 家庭に専用機、音声で解析解析  日経産業新聞 2012年12月4日付掲載

視聴率調査会社のビデオリサーチ(東京・千代田)は録画したテレビ番組の視聴状況を分単位で調べる技術を開発した。

家庭に設置した専用測定機でテレビから流れる音声を集めてインターネット経由でデータセンターに送り、蓄積した番組音声データと照合する。
リアルタイム視聴が減るなか、テレビ番組の視聴実態をとらえる技術として、来年からテレビ局に実用サービスに向けた共同検証を働き掛ける。

ビデオリサーチのデータセンターには1週間分の番組音声データを蓄積する。
送られてきた音声と蓄積した音声を照合し、どのチャンネルのいつの番組かを分単位で分析できるという。

今回開発したシステムは地上波の番組のみに対応しているが、BSやCS放送番組にも応用できる。
蓄積データを増やせば、1週間以上前に放送した番組を調べることも可能となる。

ビデオリサーチは契約した家庭にテレビ視聴率の測定機を設置、オンエア時の広告効果を調べている。
オンエア時の効果が広告取引の指標となっているからだ。

インターネットの普及などライフスタイルの変化で、若年層を中心にテレビ番組をリアルタイムで視聴する人は減っている。
テレビ広告の価値をみるために視聴実態を把握するには、番組を録画して都合の良い時に見るタイムシフト視聴の調査が有効だとされている。

タイムシフト視聴が増えると、テレビCMが早送りされてしまい、広告効果が薄れるという指摘がある。
しかし、録画番組を視聴する人も半数はテレビCMを早送りせずに視聴するという分析もあり、
今回の新技術で実態に近い視聴率調査が可能になるという。