オカジマナリミはなんだかんだでその後一年以上はそのままいて確か年度替わりのタイミングで退職していった。
仕事の都合で会費は払ったのに送別会には行けなかったが、代わりに何次会かの後に家まで送ってやったのだが乗せる時そばに何人かの女性社員も
いて「え、彼氏さん?」みたいな感じで覗き込まれて、運転席に俺がいてガッカリされたのを覚えている。
逆に言うと、俺たちのことは全然バレてはいなかったということだ。旧館でのことだし単に興味がなかったのかw
ナリミの持ち込んだ花束は結構ボロボロになっていて、彼女は後ろの席に乗せたのだが、途中交差点の信号待ちで窓を開けるから、もしかして戻す(吐く)
のか?と思ったら、通りかかったおばさんに花束を、これどうぞ!と言ってあげてしまった。
「写メ撮ったからもういいんです」とか言っていたような・・・。そういうものなのか。
変なタイミングでふと一つ思い出したが、“リハビリ”の初期の頃にナリミが変なものをこしらえて持ってきた。
詳細はコンドームに包まれていて判らなかったが、(紙?)粘土でかなり縮小して作った、俺のを模した(?)ペニス細工だった。
こんなの(中に取り残したら)危ないよ、と俺が一笑に付したのでそのまましまって持ち帰ったようだが、あれ、どうなっただろうか。
まじまじと見てみたかった気もする。
その代わりというわけでもないのだが、おふざけ半分でディルドを買ってやったことはあったな。
もっとも彼女は“電動バイブちゃん”と呼んでいたが、勝手に動く部分は一つもなかったはず。
アレも買ってやってそのままになってしまったが少しは役に立ったのだろうか?

ヒサタだが、彼は実はナリミより先に退社してしまった。
なんでも家業を継いだ兄を手伝うとかいう話だったと思うが、社長(地方の名士)のボンボンだとはちっとも聞いていなかったのでかなり驚いた。
木村文乃に少し似た美人の彼女とどうなったかは社内に誰も知る者がなく、送別会をする誘いも断ったようで短い挨拶と握手だけで別れた。
そんな日にも彼の車には駐車違反のタグが付けられていて苦笑したのを割とハッキリと覚えている。