マックス・ファスマーの『ロシア語語源辞典』によれば[6]、「ボルシチ」は、欧亜で
分布する多年生草のハナウド(ポルシテヴィク[7])に由来しているとある。本来の
ボルシチといえばこの多年生草でつくったスープをさしていたが、後世にテーブル
ビートのスープをさすようになったという。 また、1808年に書かれたロシアの旅
行記ではボルシチの説明として「ボルシチというニンジンを一緒に煮込むことから、
その名がついている」とあり、 19世紀のボルシチに必須な野菜はビーツではなく
ハナウドだった可能性があると言われる[8]。