まさに1の恐れているような目にあったことがある。
彼女はスカートも引き裂かれ、悪夢の瞬間が訪れようとした瞬間
奴ら、いや神は降臨した。

「オヲーイ、ナニシテルノー!」


うちの会社の下請けの社員(元ロシア人の今帰化)が偶然通りかかったのだった。

一目で状況を理解した彼は「ウラー」と叫びながら12〜3人の男達に飛び掛かっていった。

突然の白人の登場に驚いた奴らだったが、数で勝てると思ったのだろう。


が、彼はそこいらの人とは桁が違った。
彼は元ロシア地上軍空挺部隊出身。
スペツナズと共にチェチェンで闘った事もある本物の、それも何人もあの世に送った軍人だったのだ。

あとはあっという間だった。

数分後には半殺しにされた男たちを足下にすると
今までの鬼神のような顔からいつもの陽気なピロシキおじさんにかわると
「ダイジョブデスカァ?」と彼女をひょいと担ぎ、
俺の手を引き彼のBMWに乗りこむとその場を去った。