女子レスラーの雪妃真矢、女子バレーの中田久美、女優の本田翼を合わせたような顔だちをした久美。
人によっては感じ方は異なるだろうが、セミロングの黒髪、色白の美貌。
スリーサイズは上から91、64、91cmのグラマラスボディーということで、プリンセス久美は強さだけでなく美しさでも男子レスラーからモテモテであった。
しかも俺が対戦しているのは、男子の団体でのトーナメント1回戦。
俺と久美を含めた8人で争われるのだ。

そして久美以外の7人の男子レスラーは俺を含めて全員、覆面をしている。
インディー団体で、久美よりも背が低い男子レスラーばかりという事情はあるにせよ、女に負けるのは男として情けないという気持ちもある。

「あいつ、久美さんのオッパイまで飛ばしやがった」
「いやいや、俺なら彼女の唇まで飛ばせるよ」
「いつ見ても綺麗でエロいな…久美さんの黒のビキニ、ハイソックス姿。今日もオナニーのネタに困らないぜ^^」
新型コロナウイルスが流行っているのに、無観客とはいえリング下で覆面をかぶった男子レスラーたちがスケベな話しをしている。
その中にはタイツに手を当てながら、久美の身体を見つめつつペニスをしごいている者もいた。

「何なのあいつら!本当にスケベ、変態ばかりなんだから!」
「こうなったらあと2試合勝って優勝するしかないわね」
俺に勝ったつもりでいる久美。
しかしナメられたという気持ちよりも、愛する彼女と可能な限りリング上で触れ合っていたいという想いが強まってきた。

「楽にしてあげるわ」
久美はそう言って体重が100kg以上ある俺を起こし、ロープへと振る。
「ハアアッ!」
気合を入れながら久美はジャンプし、空中で後ろ回し蹴り、いわゆるフライングニールキックを放つ。

(ハア、ハア、ハア…)
レスラーなのにチビで肥満体型、童貞の俺は久美の美し過ぎるビキニ姿や動きを見て、心臓がバクバクしている。
幸か不幸か、そのおかげで彼女の技を寸前のところで交わすことが出来た。