就職して2年か3年の頃かな、日曜に出社する用があって、車で出かけた
普段は電車通勤なのだが、営業車は動かさないとのことで、並んでいる前に止めてもいいと上司の許可は取っていた
帰路、通る車の少ない産業道路で信号待ちをしていると、ドン!赤い小さな車に追突された
当時は煽り運転なんて言葉はなかったか、バックミラー越しにひどくトラックにせっつかれている軽がいるなと思っていたら、
ブレーキ遅くね?と思うや否や、そのまま俺の車に追突した
長い警笛を鳴らしながらトラックが俺たちの横を通り過ぎていゆく
これはどう考えても10:0で俺に非のない事故だと思うと気持ちに余裕があった
「警察に届けずにすませることはできないでしょうか…?」
理由は解らないが警察を介さずに示談したいとのことだ
免許証を見せてもらってメモを取る
その紙の切れ端に、こちらの名前と電話番号を書いて渡した
勤め先のことも言ったほうがいいですよね?
いや、それは構わないよ
免許証に生年月日が載っていて、計算したのだが歳は19になったばかり
学生かと思ったら社会人なのか
車の損傷はお互いに軽微で、自走するに何ら問題はなかった
割れて飛び散った部品なんてのも皆無だった
電話をかけたいというので近くのタバコ屋に場所を移し、彼女がどこかへかけた後に俺は、車を買った中古車業者にかけた
予定はキャンセルしましたと彼女は言う
結局、二台で修理業者の所へ行き、代車が用意できるまでの時間を使って彼女宅へ同乗して行った
彼女のほうの車もちょっと見てもらったが、このまま乗り続けても問題なかろうとの見立てだった