医師は私がそこに立っているのを見て、一瞬慌てて「旦那さんですか。奥さんの体調が少し優れなかったので、点滴と注射をして、しばらく様子を見ておりました。状態も落ち着いたようですので、心配しないで下さい」と事務的な口調で言った。
そう私に告げると医師は再びあの部屋の中へ戻り、妻の手をそっと引いて支えながら出てきた。
妻の服と髪が少し乱れていて不審に思ったが家に帰った…
家に帰り、その夜に産婦人科の診察の話しを聞くと妻は少し躊躇うように『異常はなくて軽い更年期障害との診察結果だよ』と言ったが、胸元にキスマークのような赤い痣を発見して一瞬胸がざわついた。