須磨寺はそこにいた。
夕陽を背にただひとり……。
人ならざる雰囲気をまとって、ギターを 弾いていた。
神がかってる……恵美梨が天使のようだと
言った気持ちもわかる気がする。
確かに須磨寺は人ではなかった。
人であることを、どこかで忌避していた。
人の形をし、人の言葉を語り、人のように
振る舞うのに、彼女はいま人ではないなにかだった。

ここは「天使のいない12月」須磨寺雪緒のスレッドです。