そのとき、そうやって危ない橋を渡りながらも何とか最後の一線を死守していた私に対し、真琴からトドメの一撃となる寝言が発せられました。

「んん……がまん、できない……よう……」

ぷちっ。
私の中で今、何かが音を立てて切れるのを感じました。
我慢。真琴の発したそれが何を指したものなのかは私にはわかりませんが、「我慢」「出来ない」という二つのフレーズが、私の頭の中心をぐわんぐわんと打ち鳴らします。
我慢……ふふふ、そうですか。私は我慢していたのですね。我慢は体に悪いんです。やめちゃいましょう、そうしましょう。
そう、きっとこれは運命なのです。どこかの誰かが55でCを選んでしまったその時から、私が真琴の胸を揉むのは避けられ得ぬ運命だったのです。そうなのです。ふふふふふふ……
私は両手のひらを開くと、そのまままっすぐに真琴の二つのふくらみに手を伸ばして……

むにっ。

ああ、やわらかい……
これこそが私の求めていた感触。弾力。そして手にジャストフィットする大きさ。まさしく至高です。
ああ、さようなら私の理性。
そのままむにむにと胸を揉んで……

A 「……あ、あうっ!? 何してるのよ美汐っ!?」はっ! 真琴が目を覚ましてしまいました!
B 「……お客さん、何をなさってるんですか?」通りかかった車掌さん(人物指定)に冷静なツッコミを頂きました。
C そうこうしているうちに、なんと肝心の降りる駅を通り過ぎてしまいました……私としたことがっ!?