※@の続き

麻理「…(彼とは北原の事か…)」
雪菜「峰城大で学部も同じだったので尚更でした…彼は私を避けていましたし、
    私も未練を持ちつつもきっちりと振って欲しいという気持ちもありました。
    その時期はお互いにかなり辛い思いをしていました…」
鈴木「雪菜さん…それは辛かったですね。そんな最悪の状況から、どうやって
    歌うことに対するその様な気持ちを克服したのですか?」
雪菜「彼はジャーナリストを目指したいと考える様になって、3年への進級時に
    転部して別の学部に行ってしまって…。ますます疎遠になりました…」
鈴木「それは克服と言うより、ますます状況が悪化してますよね…」
雪菜「彼はバイトも沢山掛け持ちをしていましたけど、出版社のバイトが一番に
    やりがいがあるみたいでした。まあ、バイト料は安かった様ですけど」
鈴木「それって、うちの編集部ですよね。すいません、バイト料が安くって…」
麻理「…(北原が出版社に入りたいって言うから、実務を学ばせてやったのに。
    こちらが研修費を貰いたいくらいだったんだぞ)」
雪菜「ご、ごめんなさい…。何か嫌みになっちゃいました」
鈴木「いやいや。それは事実なので…」
麻理「…(鈴木の奴、余計なことを…全く)」
雪菜「彼はそこで出会った上司の方に惹かれていったみたいです」
麻理「っ…」
雪菜「私にもクリスマスイブには挽回するチャンスがあったのに、ある出来事を
    きっかけに私が癇癪を起こしてしまって、全てを不意にしてしまった…」
麻理「…(北原があの日打ちひしがれた様子で夜中に編集部に顔を出したのは
    そういう出来事があったんだな…)」
雪菜「私のターンはそこで完全に終了ですね…」
鈴木「そんなあ〜。雪菜さんが可哀相…。あっ…」
雪菜「彼はその方のことを格好良くって仕事には厳しいけどめちゃめちゃ優しい、
    可愛らしい年上の人なんだって言ってました」
麻理「…(私のことをそういう風に思っていたのか…あいつ。年上は余計だが)」

※途中ですが長いのでAとして分割