【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目
和泉 千晶(いずみ ちあき)
峰城大学文学部3年。
誕生日は8月6日
窓際の席どころか、ゼミ室に寝袋を持ち込んで熟睡している、
怠惰、無気力、依存症を絵に描いたような典型的な大学生。
要領がよく甘え上手なため、今までなんとか進級してきたが、
最近はさすがにゼミのレポートが増えてきたため進級が危ぶまれている。
実は興味を持ったことには寝食を忘れ熱中する性格らしいが、
誰もその姿を見たことがないため真偽のほどは定かではない。
千変万化する彼女の魅力について語ろう
中身は彩世ゆうが有力
★前スレ
【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ねこ一匹目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1325586230/ 懲りずにSS投下
前話の1週間後、かずさ誕生日
かずさの暴走&千晶泥かぶりといく予定です **********5月28日(金)冬馬邸
「誕生日おめでとう〜っ!」
ぱんぱんっ
今日はかずさの誕生日。
曜子に美代子、武也、依緒、春希、雪菜、そして、かずさの新しい友達である千晶が冬馬邸に集い、彼女の24の誕生日を祝った。
「…で、何でおまえがこんな所にいるんだ? 和泉」
「和泉? 長瀬さんじゃなくて?」
春希と雪菜が千晶を見て言う。
武也と依緒は千晶の正体を知っていたが、本人なりかずさが説明するだろうと思って静観していた。
「ああ、千晶は私の友達だ。こないだ知り合ったんだが、付属の同学年、武也のクラスだったそうだぞ」
かずさの説明は通り一編の内容から始まった。
「春希とも大学3年生の時同じゼミだったそうだな。もっともこいつは留年したらしいが」
「実はそうなの〜。ゴメンね、春希。ちょっとサークルが忙しくなって」
「…お、おう…」
春希は説教の一つもくれてやりたかったが、今日の主役の前で二年前の話を蒸し返すのもなんだと思ってここでは控えることにした。 「去年の春晴れて卒業。劇団『コーネックス二百三十度』で舞台女優『瀬之内晶』として頑張ってる…わたしとも劇場で会ったんだ」
「…和泉ってそんな才能あったのか」
「そ〜なの〜。これからの千晶の活動にご期待くださいっ」
とりあえず、春希の『千晶はどこでなにしてた』という疑問は解消された。
「…長瀬さんじゃなくて?」
この時点で未解決なのは、雪菜の『彼女は長瀬晶子っていうんじゃない?』という疑問だったが、かずさはそこは流すことにした。
「まあ、千晶については色々あるが、その前にお前たちに追究したいことがある」
「?」
「これはなんだ?」
かずさが指したテーブルの上には大小のプレゼントの箱があった。中身はどれもかずさの好みをおさえていた。
問題はその通奏低音たる要素であった。 美代子からはパティスリー・コアンドルの焼き菓子
千晶からは福間屋のカステラ
依緒からは鈴々屋の和菓子
武也からはRIKUDOHのショコラ・アラカルトだった。
24歳の誕生日のプレゼントがスイーツオンリーという事態は避けたいと皆思っていた。
しかし、雪菜からは手作りのベイクドチーズケーキだった。
「…甘さは控え目なんだけど…」それが何のなぐさめになるというのか。
残すは春希のプレゼントのみとなった。
皆、最後の希望を託した。
「甘いものがかぶる事態は想定していたから…」
皆、期待した。
「日持ちのするものにした」
皆、落胆した。
春希からは堤政伸シェフの高級ジャム詰め合わせだった。 「…お前たちの気持ち、ありがたく受け取っておく…」
せめて、誰か一人でも外してくれればここまで微妙な雰囲気にならなかっただろうに…
と、そこで以外なところから助け舟が出た。
「あら、わたし以外甘いもの持ってきたんだ」
さっそくそちらへ話題転換を図る春希
「あ、曜子さんのプレゼントは何だったんですか?」
「っ! 待て」
かずさが制止する間もなく答える曜子
「トライアンフの下着よ。確認してあげる?」
「………」
助け舟は泥製だった。
別の意味で気まずい雰囲気が場を包んだ。 <ぽーん>
ども、しばし歓談の後、修羅場いれます。 雰囲気を打破したのは依緒だった。
「先週はコンサート良かったよ〜」
「そういえば依緒と千晶は見に来てくれたな…そう、千晶なんて全部来てくれてるんだ。一回も来ない薄情者は…おや? まだいたかな?」
「あはは…ゴメンね」
「悪い…かずさ…」
「気にする事はない。これから何度も日本でコンサートやるんだからな。美代子さんに言ってくれれば席押さえるよ。雪菜」
かずさの機嫌がどうやら上向きになりつつあるのを見て、一同胸をなで下ろした。
「ありがとう、かずさ」
「開桜社も春希みたいなぺーぺーに回す関係者チケットないみたいだな。自前で入手してくれ」
「…はは。了解」
武也がさり気なく突っ込む。
「自腹切って観賞しないと、春希のやつ寝かねないからな」
「うっ…武也〜。この〜」
一同笑いをこぼす。 「と、場がくだけたところで、重大発表です」
武也がかしこまって語り出す。
「え〜、この度、冬馬かずささんは弊社アンピトリテ社のCMに出ていただけることになりました」
「えっ? すごいじゃん冬馬〜」
「かずさすごいよ〜」
「ってことは、かずさのテレビデビューか!」
「ひひひ〜。すごいね〜。ねぇねぇ、儲かった?」
興奮する一同
しばし、みなでCMの話で盛り上がる。
そのうち話は『今どんなCMやってたっけ」という話になり、テレビがつけられた。
「格安結婚式はヤス婚。自己資金18万円から」
一気に場が凍りついた。この場の誰もが春希が雪菜と婚約し、かずさが失恋したことを知っている。
二人の結婚式の話もこの誕生会の場では触れずに済ましたいのが皆の共通認識だったが、さすがにこの状態で流すのは無理がありすぎる。 ええい、ままよ
どのみちいつかは話さない訳にはいかない。
かずさは意を決して口を開いた。
「雪菜たちはさ、もう式場とか決まったのかな?」
自分で思ったより自然な声が出せてかずさは安心した。
雪菜も落ち着いて返事する。
「もうすぐ決まりそうなんだけど、なかなか決まらないの、年内にはと思っているんだけど…」
「そうか…なら一つ条件がある」
「? 何?」
かずさは得意げに言った。
「披露宴会場にはピアノを用意してくれ。アップライトじゃないやつ。二人の顔がよく見える位置にさ」
「それって…」
「ああ、祝福させてもらうよ」
雪菜は涙目になって喜んだ。
「あ…ありがとう、かずさ…」
「ありがたく思え。普通ならギャラふんだくるとこだが、貧乏物書きを破産させる趣味はないからタダでやるさ」
「…恩にきるよ、かずさ…」
春希も感涙していた。
千晶と武也は慎重にかずさの様子を伺っていたが、かずさが本心から言っていると確信し、ほっと一息ついた。
そう、かずさもこの時点では偽りない祝福の気持ちを表していた。
問題が起きたのは依緒がウェディングドレスの話題を振った時だった。 <ぽーん>
千晶巻き込まれるシーンまでいきませんでした。次回までお待ちをば 「ねぇ。ドレスは決まったの?」
「まだなの。『コレ!』って思ったやつはサイズ合わなかったりしてさぁ…」
「幸せ太り?」
「まさかぁ。やめてよ」
「…もしかして、授かり?」
「もぉ! 依緒ったら。そんなことならないように最近は気をつけてるよ…」
その時だった。
どぼどぼどぼ…ごくごくっ
かずさが手元のジュースを乱暴にコップに注ぐや否や一気のみをしたのだ。
かずさの雰囲気が一気に冷たいものに変わっているのに誰もが気づいた。
目つきが明らかにおかしく、不機嫌さをあらわにしている。
原因はわからなかったが、何とかせねばと皆考えた。
ここで空気を読まず呼びかけたのは春希だった。
「か、かずさ?」
しかし、かずさは怒りに満ちた目で春希をにらみ返す。その口が開きかけ、春希に噛みつかんと言葉を探しているのがありありと見て取れた。 …ここは『ジュースリセット』いくか? …ちっ
千晶が考えたのは、まずいことになる前に『ワザとジュースをこぼして場を切る』荒技だったが、生憎、手元にはわずかに残った缶ビールしかなかった。
初手を打ったのは会話のイニシアチブを持っていた雪菜だった。
「あ、そうそう。わたし、千晶さんに質問あったんだけど、いいかな?」
ナイスぶったぎり! 千晶ほか若干名は心の中で快哉をさけんだ。
しかし、そこでかずさの爆弾が爆発した。
「…千晶のことは春希に聞いたほうがいいんじゃないか? 何せ、二人は『寝た』仲なんだし」
千晶は毒づいた。
まったく、厳しいアドリブ要求するよ。
千晶が観察するに、武也、曜子を除いて注目は自分、これはよし。
問題のかずさはさすがに『まずいことを言ってしまった』との表情が顔に浮き出ているが、これもまあ仕方ない。
問題は落としどころだが…今日はかずさの日だし、わたしが泥かぶるか… 「わったたたっ! かずさ。それはかずさからかっただけで、違うんだよ〜」
すかさず慌てたフリをして返す千晶
そこで、かなり強ばった声で雪菜が聞いてきた。
「千晶…さん?」
「ほい? ナニ?」
「先一昨年の末、春希君の携帯に夜中電話かけたら女の人が出たことあったんだけど…あれ、千晶さんだよね?」
春希は硬直した。
よし、食いついたっ。
千晶はちょっとだけすまなさそうなふりをして答えた。
「そ〜なの。実は、わたしも昔春希のこと狙っててさ〜」
「いっ! …ち…千晶」
「…ゼミのレポートの手伝い名目で春希の本丸侵入完了って、喜んでたけど、春希のやつ全然私のゆ〜わくに引っかからないんでやんの」
「え? …ち、千晶、そんな…」
「ほら、こんなふうにこの朴念仁全然気づいてな〜い」
千晶はここで全員の視線を再確認。
ほぼ全員自分を注視。雪菜と依緒の視線は怖い。かずさはうつむいているし、武也はそんなかずさの様子を見ている。…問題なし。
「そんな悲しい夜に彼女らしきヒトから春希のケータイに電話あったから『こいつ彼女いるじゃん!』って腹が立って、ワザと雪菜ちゃんからのコールに出ちゃいました。…ごめん」
「…はは…そうだったんだ…」
「おま…そんなこと…」
苦笑する雪菜に泡を食う春希。 「そうなんだよな。春希と雪菜ちゃん、はやくくっつかなかったから、周りで勘違いして被害受ける奴多かったこと。
…おやおや、ここにも被害者いたとは…春希だけでも片手で数えられないんじゃね?」
武也っ。援護射撃さんきゅっ。…あとは『長瀬晶子』の後処理もしておくか…
「ねえ、雪菜ちゃん。『長瀬晶子』って覚えてる」
「え…やっぱり…」
「あれ実は変装したわたし。いや〜、春希の彼女ってどんなヒトかって確かめずにいられなかったんで…会ってビックリ、ミス峰城大付三連覇の小木曽雪菜? なにその彼女いないいない詐欺は! って打ちのめされましたよ。わたしは〜」
「………」
雪菜も春希ももはや声も出ない
千晶は両手を合わせて『お願い』のボーズで締めにかかる。
「てなわけで、和泉千晶も諦めてお二人のコト祝福させてもらいます。いいかな?」
「ははは…ありがと…」
「…了解…」
怒ることもできずに納得する雪菜と春希
「………」
怒っているものの何も言えない依緒 「てなわけで、かずさもごめんね。わたしと春希は実は何でもなかったの。かずさからかってただけなの」
ここで、ようやく本日の主役にバトンを返す千晶。
「…あ…ああ、いいよ…」
かずさは、ものすごくすまなさそうな顔でうなづく。
武也は、呆れたふりをしてかずさに言った。
「冬馬、やはりお前、友達もう少し選んだほうがいいわ」
「…はは、どうも。部長」
かずさの顔は引きつっていたが、落ち着きは取り戻したようだった。
その後は大学の卒業旅行の話など当たり障りない話で盛り上がり、誕生会はひとまずお開きとなった。 <ぽーん>
次回、千晶がお説教?モードでかずさ苛めます。 **********
春希たちは皆、翌日仕事があるので帰宅。曜子も薬を飲んで寝室に向かったので、居間に残ったのは千晶とかずさだけになった。
千晶は、ふたりになったのを見計らい、かずさに意地悪そうに言った。
「はい。反省会〜」
「うう…。千晶ごめん…」
かずさは机につっ伏して謝った。泣いているようだった。
「だいたい、最初の方から春希につっかかり放しじゃない。武也とかも腫れ物扱いしてフォローしてたけど」
「ほんと…ごめん…」
かずさの声は消え入りそうだった。
「トドメにわたし陥れてまで春希に食ってかかるって何それ? わたしじゃなきゃ絶交ものだよ」
「ううう…」
春希と『寝た』なんてのは、かずさと最初に会ったときにからかうために使って、すぐ否定したただのネタであり、そんなことかずさもわかりきっているコトなのだ。
「でも、やっぱりアンタ面白いわ。結婚式の話のトコでは落ち着いて祝福できてたのに、次の話題で思いっきり豹変して…ねぇねぇ、言っていい?」
「………?」
かずさが僅かに机から顔を上げる。 千晶は座椅子から立ち、かずさの後ろから覆い被さると、耳元をなめるように囁いた。
「この『色情狂』」
「〜〜〜っ!」
かずさは返す言葉もなく紅潮する。
千晶はそんなかずさの表情を、至近距離から舐めるように堪能した。
「いやぁ〜、わたし女で良かったわ。…男だったらガマンできずにあんた押し倒してるわ」
そういってわき腹のあたりを撫で回してくる千晶に、かずさはたまらず抗議の声をあげる。
「ちょ、ちょっと、やめろよぉ」
「ふふふ…嫉妬したんだよねぇ。式を前に避妊なんてしてる雪菜ちゃんムカついたんだよねぇ」
「…うっ…うっ…ふえぇ…」
図星を指されかずさは情けない声を漏らす。
千晶はかずさの下腹辺りに手を回し、子宮に響かせるように声を伝える。
「きっと、雪菜たち。帰ってからえっちしているよ。でも、胎内には出さないんだ…もったいない、自分なら…」
「うう、さわるな…」
抵抗する声も弱々しく、千晶の手を振り払えない。 「ねぇ…雪菜たちと距離置いたら?」
「!」
ばさっ
かずさはそれだけは嫌だといわんばかりに千晶の手を振りほどき、振り返って千晶を睨む。
千晶はのしかかっていた身体を離すと、事も無げに言った。
「〜♪ 怖くない? じきに、未練と嫉妬と劣情にまみれたあなたを知られるよ? 結婚式の場でも平静でいられる? ピアノならごまかせる?」
「うああ…、苛めるなぁ…、千晶は意地悪だぁ…」
こてりと千晶の胸に顔を埋めるかずさ。
「…でもね、千晶、逃げ出した後の方がもっと怖い…」
「………」
「5年間、5年間我慢してた。雪菜たちにも残酷なことしてた。それが…」
かずさは、ここで落ち着いて一息つくと、自嘲するように言った。
「ストラスブールで台無しだ。ひと目で台無し。後に残ったのは5年分の未練をさらけ出して、潰れそうになった情けない女さ。
…まぁ、逃げていたうちは、我慢できる、いつか忘れられると思っていられたんだけどさ」
「………」
「それにさ、何よりわたし自身も見たいんだ。わたしの代わりに幸せになってくれる2人を。友人として」
「…いいね。今のあなた良い顔してる。春希も惚れ直すよ」
「ありがとう…でもさ、時々雪菜が憎らしくなる自分が抑えられなかったりするさ…ピアノ弾いている時とかもね」
「…ふーん。でも、矛先はいつも春希だよね?」
「…そう、だな。ついつい春希には言葉きつくなるんだよな」
「や〜ん、春希に甘えたがってるの丸わかり〜♪ ああ、いつもの愛のお説教でわたしをいじめて♪」
「やめろよ、千晶」 そこで、千晶は春希の口調を真似て言った。
「『いつまでも拗ねてるんじゃない! いい加減にしろっ!』」
「あ…」
かずさは再び千晶の胸に突っ伏した。肩に掛けたその手が震えている。
「どしたの? 似てない?」
「いや、…千晶が女でよかったよ。そんな反則技…」
かずさの手に力がこもる。千晶は耐えきれず後退して、後ろのソファーに押しつけられるように座り込む。
千晶の胸に顔を埋めたままかずさが『春希』に返答する。
「誰のせいだと思っている…全部、お前のせいなんだぞ」
押し倒されつつも、千晶は『春希』の演技をつづける。
「『そうやって人のせいにするところが子供だっていうんだ! 一体何才なんだ、お前は!』」
「今日で24だよ。24の女がお前忘れられなくて悪いか? 雪菜に嫉妬して悪いか? 未練たらしくて何が悪いっていうんだ!」
「『少しは他人の事情も考えてやれ。お前、春希と雪菜のこと、祝福するって約束しただろう』」
「だからって、わたしの前でのろけてみせるな。そういうところデリカシーないんだよ。昔から二人とも!」
「『だっ…誰が…、う…、あれぐらい普通だろ』って、ごほごほっ。かずさわたしをお〜そ〜う〜な〜」
いつしかソファーに横倒しにされ、覆い被されたような体勢の千晶がわざとらしく抗議の声を上げる。 「っつ! ご、ごめん!」
「いやあ、やっぱりかずさ女でよかったわ。危うく乙女の純潔汚されるトコだったよ」
「………」
「…この調子で春希襲っちゃえば? 『春希ぃ…やっぱりわたし、お前がいないとだめだよぉ…』って、泣きついてさ」
「…そんなことできるかよ…雪菜に悪いよ」
今度は、千晶は雪菜の口調を真似る。
「『そんなことないよ、かずさ。わたし、かずさの気持ち知ってるもの…春希くんがそれを選ぶなら…』」
「…はは、あいつならそう言うかもな。でも、春希に悪いよ。あいつ、引きずるやつだから…。例え雪菜が許したとしても、あいつ、自分で自分を責めて駄目になるよ」
「そだね〜。春希が二股かける優柔不断オトコだった方がまだマシだったね。何せ、あんたのせいで3年間引きずってたんだって? あの2人」
「雪菜の方は春希を許そうとしてたらしいんだけどな…」
「いや、春希やっぱり重度のマザコンだね」
「? どうしてだ?」
「彼女裏切って自分の方がめちゃ落ち込むなんてさ。裏切られた母親見てるからでしょ」
「…それもつらいな」
「ついでにあの説教癖も、母親にかまってもらえない裏返しでしょ」
「あ、でも、春希のやつ、母親とは関係改善できたみたいだよ」
「へ? うそ! そりゃめでたい」
「…雪菜のおかげらしいけど」
「ありゃ。そりゃめでたくない」
「? なぜ?」
千晶はそこでかずさの両頬に手をあてて言った。
「ただでさえ雪菜有利でゴール間近なのに、だめ押しの満塁ホームランくらったみたいじゃん」
かずさは笑って答えた。
「はははっ。わたし、ぼろ負けだなぁ」 そこで千晶は手を放して少し険しい顔をして言った。
「…雪菜に負けて、悔しくない?」
「…ないね。わたしが何もしてあげられなかったのは悔やまれるけど、雪菜が代わりにしてくれたのは単純にうれしいよ」
そこで、かずさは天井を仰いでつぶやいた。
「そういえば、春希や雪菜に何ひとつ借りを返せてないなぁ。結婚式は頑張らないとな。うん」
「…ふぅ。やっぱりあんたにはかなわないわ。なによ『情けない女』かと思ったら『いい女』じゃん」
「なんだか、微妙な誉め方だな」
「いひひ。でも、春希的には『情けない女』の方がツボかも知れないよ」
「やめてくれよ」
「いやあ、あんた参考になるよ…わたしの演劇のね」
「ああ、脚本にでも何でもしやがれ。『いい女』になってやるとも。春希が振ったことを改めて後悔してくれるような、雪菜が友人として誇らしく思ってくれるような、ね」
そこで、かずさは微笑んでみせた。
女の千晶も惚れ惚れとするような笑顔だった。
ホント、参考にさせてもらうよ。あなたの人生。
先に待っているのが幸せか、平和な日々か、破滅か、地獄のような日々か知らないけどさ。
ひとまず幕が閉じるまで見届けさせてもらうよ。
でもね、まだまだわたしという観客を引っ張るんだから、どうせなら美しい話で終わらせて欲しいな。
千晶はそう願わずにはいられなかった。 <ぽーん>
ども、毎度スレ汚し失礼
あとちょっと小咄追加ありますがひとまず終わりです。 ちょい質問。
ゼミコンパの日に千晶と御宿駅でキスしておいてCC雪菜エンド行くこと可能?
前一度できた気がするんだが記憶違いかもしれん。 >>249
いや、千晶と××してない。
ずっとひとりでいる選択肢で朋出てきてた記憶
あるんだが…今日いろいろやったが再現できないなあ 追加小咄
**********
依緒は帰り道でずっと千晶の悪口を言っていた。
「何あの子? 冬馬騙されているんじゃない?」
しばらくは黙って聞いていた武也だったが、やがて呆れたように口を開いた。
「…いいかげんにしろよ」
「何? あんな女の肩持つの?」
「お前、やっぱわかってないなぁ。あれ、完全にワザと道化やってたぞ」
「何で? そんなこと」
「…わかんないほうがいいよ。わかんないだろ。お前は」
女の嫉妬なんてさ。
「何それ?」
**********
一方の雪菜たちも千晶のことを話題にしていた。
「面白い人だったねぇ。千晶さん」
「いや。あまり隣にいてほしくないタイプだ」
「むぅ、春希くん。お友達に冷たいんじゃない?」
「正直、もう友達でもないと思っていた」
「ははは…。でも、かずさの友達だから、もうわたしたちとも友達だよ?」
「そう、だな」
「しかし、春希くんも結構女泣かせだったんだね〜。ふ〜ん。このこの〜」
「ごめん。雪菜」
「うん、許す。でも、条件が一つ」
「? 何? 雪菜」
「彼女の事を許してあげて」
「…うん。わかった」 >>220
これってアクアプラスStoreの特典だっけ?
いいね
春希との夏デートを想像 千晶2周目やり直してきたがやればやるほど味でるなあ 別にかずさディスるつもりはないんだが、俺はヒロインの中で一番かずさに魅力を感じなかったわ
CCが好き過ぎて雪菜もかずさもどうでもいいてっだけなんだけどねw
千晶と小春と麻理さん最高や 上から目線極まって母性で愛してしまうとはね。
すげーわ 千晶二週目√クリア後、ゲーム進めるのに結構なリハビリ時間が必要だったw
で最終的なゲームクリア後、やっぱり最後は千晶√で締めました 知らんけど能登かわいいよ能登とかじゃねーの
声優の アニメ化がICのみで千晶の出番がほとんど無くても、千晶かわいいよ
むしろ千晶trueエンドをアニメ化すればいいのに… 仮にCCをアニメ化しても寄り道なしで雪菜√に直行しそう
新規「千晶?なんか意味深なセリフばっかの変な女だな」 千晶√は"起承転結"ハッキリしてるから案外アニメ化はしやすい脚本だと思うけどな
特に"転"がすごいインパクトになると思うw wikiの長編SSに千晶エピソード追加。雪菜スレからリンク張ってます。
一部を紹介
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今、千晶の顔から見て取れるのは怯えの色だけだ。みるみるうちに顔から血の気が引き、口元が震えている。
「お、怒ってる?」
春希は少し口を開きかけ、黙り込む。
千晶はチラリと春希の目をのぞいた。そして、恐ろしいものを見たように目を見開いた。
「あわわわ…」
あわをくったように千晶は後ずさりするが、すぐテントの壁に退路を断たれる。千晶は太ももにズレたホットパンツを戻すことも諦めたように地面にへたり込んだまま体を震えさせる。
「や、やめて。…み…見ないで…」
千晶はこれから自分の身に起こる事を悟ってしまったかのように内股を固く閉じ、水着のみをまとった身体を手で隠す。
「ゆ、許して」
しかし、その抵抗も、身をよじるしぐさも、許しを乞う言葉も、そしてその恐怖に引きつった表情すらも、男の劣情と嗜虐心をかきたてるように調律されたものだった。
先程までの千晶とは全くの別人。今の千晶は怯えて震える被食者だった。
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経緯はwikiで 千晶の誕生日に合わせてPSvita移植ニュース来たみたいだな アニメ1クール目で出番ある可能性が一番高いのに、こちらのスレは静かだねっと保守 今朝千晶Tルート?をクリアして何か語りたくなってしまった。
(Codaはまだ、CCは全ルートクリアの上、ストラスブールでストップしてある)
今どき初プレイの人もなかなかいないしなあw
で、千晶の演劇を2種類にして、@千晶TルートA雪菜復活アナザールートみたいにできそうな気がした。
@は「舞台に上がった千晶」がメインに来る今回の演劇
Aは「舞台から逃げた雪菜」もしくは「舞台から降りる決意をした千晶」がメインにくる演劇
Aを見て今の自分を再認識した雪菜が覚醒して「私は、降りないよ・・・」みたいな展開。
というか、CCは千晶が強すぎてこいつなら春樹と雪菜を倒せてしまう?解放できてしまう?と思ってしまうレベル。
我ながら、何言ってるんだろうw ようやく全コンプ。
俺はこのスレの住人になることを決意した(意味不明)。
人は少ないけど。
小春VSかずさ・麻理VSかずさ はきっと戦うまでもなくかずさの勝ち。
しかし、千晶VSかずさ の場合、あらゆる手段を使って千晶は春希を落としにかかるからいい勝負になりそう。
家庭環境のせいで、春希は父性を発揮したい・母性に守られたいという2つの願望を持っているっぽいけど、千晶はどうもそこを把握して動いていたっぽいし。
まさに、対春希専用最終決戦兵器だなw >>277
その仕様に自らカスタマイズした、と言うことで。
ただ、気づいたときには汎用機に戻れなかったと。 初芝雪音とCoda雪菜を比較すると、千晶が天才だったことが良く分かる。 もしも千晶と春希が学園時代から同じクラスだったなら春希は千晶もほっとけなかったろうなあ
ある意味ヒロイン2人組よりも千晶は破綻してるよね色々と…
だからこそ千晶はWA2の裏ボスみたいな印象
coda終わった後、後味的になんとなく千晶trueもう一周せずにいられなかったのもいい思い出 長編SS「月への恋」35話追加しました
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
アニメ化で他スレが騒がしくなってきたのでこちらのスレに帰ってきました。
第三十五話「夏と海とバンドと(8)」は亜子の告白の場面ですが千晶も活躍します。 >>280
千晶はかずさみたいに見るからに破綻者ではないんじゃ?
普段の成績こそ低空飛行だが、演劇部長で大学にも合格してるし 千晶SS「雪を取ってきてください」書きました
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
千晶True後の短いお話です >>277
CCの各ルート終了後に、雪菜と同じようなcodaの展開があったとして
小春VSかずさ・麻理VSかずさ だったら、かずさは瞬殺されるよ
早い段階で隣室の存在がばれて、かずさが追い出されて終わりw
でも、千晶だったら黙って行く末を見守ると思う
codaの時に、近くに千晶、小春、麻理の三人がいたら
小春と麻理は雪菜の味方だろうけど、千晶だけはかずさの味方になるだろうな >>284
千晶はCC雪菜祝福してるし、それはない >>285
かずさの味方ってところ?
高校時代から、三人の本当の気持ちを見抜いていたし
芸術家として、かずさを認たり、ステージを最優先に考えたい気持ちもあるだろうし
何より、世間的なモラルより、話の面白さを優先させるだろうから
つーか、かずさが帰国した時点で、新しい芝居の脚本のために
周辺取材を始めてそうな気がするw >>286
キャラ紹介とか千晶Nとか小春のあしらい見ればわかるように千晶は基本は引っ掻き回さず、(知られなければ)皆が幸せになる方に立ち回るからなぁ >>286
千晶は知られさえしなければ周りを幸せに持っていく方に動く人間だよ、自分本意劇至上主義だが、現実まで面白さ優先でかき回す人でなしの愉快犯ではない
Codaに出てきたら、かずさと春希が不幸な形でしか結ばれないことわかっているから、雪菜Trueを補助する方向で動くだろうね、全員の事考えればあれが最適解だろうし >>288
CodaかずさTrue√でも千晶なら説得に回りそうだし、成功しそうだな 長編SS「月への恋」36話追加しました
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
第三十六話「夏と海とバンドと(9)」でようやく旅行編は終わり、
千晶も登場して…かずさにチクリとやられます。
ご笑読ください。 >>279
初芝雪音って、codaかずさじゃないの?
もし千晶ルートに入っていなければ、劇団ファトスの「届かない恋」は
舞台上から初芝雪音が、「私への思いを終わらせて、あなたは幸せになって」
みたいなメッセージを訴える芝居だったんじゃないかな?
さらには「ピアノ(歌)をもう一度やってくれ」とも言ったと思う 長編SS「月への恋」第三十七話「眺めの良い部屋(1)」投稿しました。
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
千晶はしばらくお休み。とりあえずかずさと小春、そして友近が出てきます。 >>291
千晶ルート2回目に入らないと、台本が上がらなくて別の芝居を上演したと思うなあ。
あ、台本が間に合わなくで座長が苦境に立たされる可能性もあるね。
千晶が「芝居の1本や2本中止になったからって気にするな」とうそぶくか、
身を削ってでも別の題材で間に合わせるか、どっちだろうね?
リアル千晶の、その辺りの感情は読めないなあ。 長編SS「月への恋」第三十八話「眺めの良い部屋(2)」投稿しました。
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
LS3行ってきて創作意欲仕入れてきたんで、お休み予定だった千晶を入れて書き上げちゃいました。 長編SS「月への恋」第三十九話「眺めの良い部屋(3)」投稿しました。
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/
LS3で仕入れた創作意欲暴走中
麻理さんがキャラ崩壊 確かにあの芝居は千晶Trueだったからこそって面はあるな
それ以外では結局台本は難航したまま仕上げられなかったってのも確かにそんな気も
あのサークルの活動や内容自体、姫のご機嫌次第って感じだし 少なくともCC雪菜ENDでは完成してたハズだろう
他のENDでも一応は出来上がってたんじゃないか?
内容や結末、完成度は√ごとに違ってたりしそうだけど >>282
全国大会にも出るような演劇部の部長なのに学校行事はことごとくサボり授業もむしろ放課後にしか出てこない、
そんなクラスメイトなら春希なら何かしらお節介したような気が
あとワンマン過ぎて部員がいなくなって一人芝居になっても逆に劇の完成度が上がるくらいには常人離れしてるとことか
武也が瀬能ほど意味不明な女はいないと言うくらいだし… 長編SS「月への恋」第四十話「眺めの良い部屋(4)」投稿しました。
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おかしい
LS3以来執筆速度が10倍になっている 長編SS「月への恋」第四十一話「眺めの良い部屋(5)」投稿しました。
すいません。千晶まだしばらく出番なしです。
ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/d/%c0%e3%ba%da%a3%d4%a3%f2%a3%f5%a3%e5%a5%a2%a5%d5%a5%bf%a1%bc%a1%d6%b7%ee%a4%d8%a4%ce%ce%f8%a1%d7 長編SS「月への恋」第四十二話「眺めの良い部屋(6)」投稿しました。
千晶まだ出番なしです。
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千晶まだ出番なし、すまぬ
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ttp://w.livedoor.jp/white_album2_ss/d/%c0%e3%ba%da%a3%d4%a3%f2%a3%f5%a3%e5%a5%a2%a5%d5%a5%bf%a1%bc%a1%d6%b7%ee%a4%d8%a4%ce%ce%f8%a1%d7 長編SS「月への恋」第四十六話「練習開始?」第四十七話「練習中?」投稿しました。
千晶がかずさと悪だくみ? 長編SS「月への恋」第四十八話「式の前日?」投稿しました。 長編SS「月への恋」第四十九話「届かない恋?」投稿しました。
千晶はある意味主役ですが…作者が雪菜派に殺されそう 久々にのぞいたらss投下がすごいことになっているな
圧倒された!今から読むぞ! >>311
あ、どうも。作者です。
ちなみに50話まで書き終わって第1部終了してます。
千晶出てこない話も多いですが、楽しんで貰えれば光栄です。
千晶true後のSSも一個だけ>>283あります。 >>310
そのどちらもが千晶の魅力ですから!
icまでは普通にかずさ派だったが今や千晶以外は考えられん体になってしもうた ageてsageてageるのが千晶の良さ
最初にsageてからageる春希よりも質が悪い むしろ女王様コスの千晶にオシオキされたい
今度の劇で女王役やるんだけど春希役作り手伝ってくれない?みたいな
その夜マンションには痛みとも快感ともつかない男の叫び声が朝までこだましていたという…