涼元 生きていれば、必ず死ぬわけじゃないですか。
    でも、一番長く生きた人が幸せというわけでもないですし、自分が幸せだと思ったら、
    それがもう幸せなんだ、というしかないと思うんですけど……理解されにくい部分ではありますね。
    「観鈴は幸せだった。でも、もっと幸せになれたはずだ」という考え方になっちゃう。

──確かに、微妙ですね……一瞬に人生を濃縮していくという発想は。
   普通の人はどうしても「えいえんのせかい」を願ってしまいますからね……。

涼元 そうではないよね、というところで作っているんですが……。
    だって、みんな「えいえんのせかい」なんてないってことを知っているわけじゃないですか。

──それもやっぱり、永遠を願ってしまうんですよ(苦笑)。

麻枝 ゲームの中ぐらい、永遠があってもいいだろうってのはありますよね。
    そういう意味での日常性というか、現実感みたいなのを求めているというか。

涼元 「幸せな日常が延々と続くのが永遠だ」という風に受け取られがちですよね。

──それはそれで辛いと思うんですけどね。永遠に幸せじゃ、幸せの有り難みがわからないだろ、っていうか。