どれだけの時間、こうしているんだろう?
何気なくカレンダーに目を遣れば、もう5月になっていた。
ゴールデンウィーク、日本語で言えば黄金週間。
世の中は賑わい、活気に溢れている。
久弥「ご苦労なこった」
そう、俺にはあまり関係のないものだ、毎日が休日なのだから。
そう、everydayがholidayなのだから。
久弥「ああ、あんなことさえなければ」
ふと、あの日の記憶が蘇る。
思えばあの時から、時間は止まってしまったに等しい。
毎日同じ事の繰り返し、朝起きて夜寝る。
無限ループだ。
でも永遠じゃない、俺は死ぬんだから。
『起きないから、奇跡って言うんですよ』
ふと、そんな言葉を想い出す。
久弥「そりゃ、そうだ」
だが奇跡、こんな時こそ頼りたいもんだ。
起きると信じていれば奇跡だって起きるかもしれない。
久弥「根拠のない希望に縋るのが精一杯」
ああ、でも起きてほしいな、奇跡。
奇跡さえ起きれば、止まっていた時間がもう一度動き出すはず…。
こうして、根拠のない希望に、『奇跡』に想いを馳せているうちに、
今日という日もまた、思い出の中に還っていく…

久弥「今は、まだ…」