★令和の世でも詠美ちゃんさまはフミューだぞ★
「れいわ……ってなに?」
「平成は終わったんだ。いくら呼んでも帰っては来ないんだ」
「ふみゅう……」
「ちなみに前スレが立ったのが18年前だ。去年の春にスクリプトで沈んだらしい」
「18年? あたしが17だから生まれる前からしたぼくたちにあがめられてたってこと?」
「永遠の17歳かな」
「まあ20年もしたら、あたしは世界を征服し終わって、子どもも二人くらい居て、完成な白い豪邸でゆうゆう遺跡の日々ってわけよ」
「俺は健康や漫画家生命が不安だな」
「あ、あんたも元気よ! 娘にはさけられてそうだけど……ってぱ……パパ!?」
前スレ
大庭詠美
https://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1198708646/
過去ログまとめ
https://chansama.jpn.org/ 海の底で永遠に揺蕩うようなスレが災害で落ちたのは悲しかった
今更キャラスレなんてとも思ったけど今更そんなことを咎める人なんてほとんど居ないだろう
何十回目かの誕生日おめでとう詠美ちゃんさま 夏が来ると思い出す
エアコンの効いた部屋で二人汗だくになりながら詠美ちゃん様と……原稿をしていたことを 「ママの方がパパより漫画が上手だったんだよ」
ふと何年か前に聞いたパパの言葉を思い出した。
「マンガのさいのう? あなたが産まれたときにあげちゃったんじゃない?」
そんな魔法少女みたいな力、近場の進学校に通う普通の女子高生にあるわけないのに。
そりゃ生まれた時から紙とペンとタブレットを握って育ったから多少は上手だろうけど、
パパのようにクラス全員が主題歌を歌えるようなアニメの原作や、
ママのようにとんでもなくキラキラして可愛い絵を描けるわけでもなく、
才能なんてものが万が一あるとしてもその片鱗すら見えたことは無い。
オフィスに籠もりきり満身創痍で帰ってきたりこなかったりするパパや
苦手な家事の合間にイラストの仕事をするママを見ていると、
そこまで命をかけてまで表現したいものが私にはないのだ。
現実的な未来を考えるならば、
二人のマネージメントなり、記念館の学芸員にでもなる方法を学ぶべきなんだろう。
そんな大した主体性もない空色なのか灰色なのかもわからない夢も忘れかけた頃、
ママの友人を名乗るおば……お姉さんがやってきたのだ。
「大きゅうなったなあ! 飴ちゃんどや?」 こみっくパーティー。世界最大の同人誌即売会にしてクリエイターの登竜門にしてかつてパパとママが出会った地でもある。
知識として、おとぎ話としては知っていたが来ることも来たいと思うこともなかった。
こみパの話をするママはどこか遠くを見ているような感じだったし、パパが参加したら目立つだろうし、
何より子どもの教育には良くないだろう。
そんな私がなぜこんな場所に居るかというと……
「あ〜ミキティすまんなぁ、急に売り子なんてさせてもうて」
この方のせいなのだ。あとミキティって誰だ。
「あんアホ久々にシャバの空気吸わせたるわと声かけたらけんもほろろで「美樹ちゃんに頼めば?」やし……来てくれておおきにな」
「私ももう15ですし、母も猪名川さんなら安心だと思ったのでしょう。社会勉強と思っておきます」
新しい服が欲しかったのだ。勉強する時間も惜しいけれどお小遣いだけでは足りなかったのだ。
バイト代も出るらしいし、例の場所は一度くらい見ておくべきだと思ったし、何が欲しいわけでもないが何かは有ると思うのは考えすぎだろうか。
「あぁもうええ子やなあ! 経営学びたいらしいしうちのあほぼんと一緒になって旅館もっとデカくしてくれんか? 最強や!」
……ママはこの人とどう付き合っていたのだろう?