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今日は、「宗教団体が提供するフリー素材を侮辱のために使うと、どんな問題があるのか?」について、分かりやすく解説していきましょう。


さて、今回使われたのは、浄土宗という日本の仏教宗派がお寺に向けて提供している“餓鬼”のイラストなんです。
「餓鬼」というのは仏教でいうところの、欲望にとらわれ、満たされることのない存在。そんな“人間の愚かさ”を教えるための宗教的モチーフなんですね。


この浄土宗の公式サイトには、「寺院での教化活動や広報に使ってください」と明記されていて、つまりこれは、信者やお寺が、宗教的な教えを広める目的で使うための素材なんです。


ところが、これをネット上で他人を馬鹿にするために使ってしまうとどうなるか?

たとえ“フリー素材”であっても、その利用には当然、著作権や宗教的配慮という制限があるんですね。


浄土宗側も、「私的利用や著作権法上認められた範囲を超える使い方はダメですよ」と書いています。

つまり、それを侮辱や攻撃の文脈で使うことは、本来の目的を逸脱しているというわけなんです。


しかも、これは宗教団体にとっての「教えの道具」でもありますから、そうした素材を“揶揄”や“嘲笑”のために使ってしまうと、宗教そのものを侮辱したと受け取られかねません。

結果として、信教の自由に関わる問題や、宗教団体から抗議や削除要請が来ることもあるんですね。


ですから、たとえインターネット上に“自由に見える”素材であっても、その背景にある意図や利用規約、そして文脈をきちんと読み取って使わないと、思わぬトラブルに発展してしまう。これが今回の問題の本質なんです。