「美味しい」
私の淹れたアイスミルクティーを一口飲んで、静留は微笑んだ
「一人暮らし、始めたんやね」
「自立したくてな。バイトも始めた、親父の仕送りも打ち切った」
「せっかくのバイト休みにみんなと楽しんでた所を、うちが邪魔してもうたん?堪忍な」
「お前の方が大事だからいいんだ」
言った瞬間に、しまったと思った
静留は私に恋してるんだ、思わせ振りな言動はこいつを傷つけるだけだ
「ありがとう…。まだうちのこと、親友と思ってくれてるんやね」
「…ごめん」私は静留の瞳を見つめながら、勇気を振り絞った
「このあと何も用事が無いなら今夜は泊まってけ。明日の晩、隣町の花火を観に行こう」
「ええの?」頬に赤みがさして、潤んだ瞳の静留を見つめながら、今更ながらに私は気づいた
こいつはとても美しい女性だということに…