セルリアンハンター。
このジャパリパークに蔓延る恐怖、
「セルリアン」からフレンズを守るために日々戦うフレンズ。

史上最強クラスの「黒セルリアン」をパークのフレンズ達で協力して倒し、ヒトのフレンズである「かばん」が自分の仲間を探しにこの島を旅立った後。
頭数はかなり減ってきたとはいえ、今なおパークの平和を脅かすセルリアンを倒すために、今日もセルリアンハンターは戦う。

ある日のこと、セルリアンハンターであるヒグマ、キンシコウ、リカオンはパークのある森をパトロールしていた。

「…そういうわけで、キンシコウはそっちのパトロールを頼む。私はリカオンとこっちの方を見てくる」

「分かりました。どうかお気をつけて」

そう告げて、キンシコウは茂みの向こうに、ざく、ざくと音を立てて消えていく。
ここからはキンシコウと別れ、ヒグマとリカオンの二人で、パトロールをすることになった。
おそらくはある程度キャリアを積んだハンターであるキンシコウに対し、
まだハンターになったばかりのルーキーのリカオンを単独で行動させるのは危険だとヒグマは判断したのだろう。
そのまま二人はパトロールを再開した。

(おかしい…なんだか…体が…変…)

リカオンは自分の体に違和感を覚えていた。
さっきからどうも、体が異様なまでに熱い。
頭がぼーっとして、何も考える事ができない。
股の部分は特に火照りが激しくなって、
リカオンの毛皮からとろり、と染み出すように、不思議な蜜のような液がふとももを伝う。
おかしい。こんなこと、今まで無かった。

…ひょっとしたら、病気。

そう思ったとたんに、リカオンに恐怖が走る。もしかしたら、死んでしまうのかもしれない。
もうハンターを続けられないのかもしれない。

そんなマイナスな思考はリカオンの胸をきゅっと、締め付ける。
気がつけば涙が溢れていた。
嫌だ。もっと、もっとハンターを続けたいのに。もっと皆と生きたいのに。

「うーん…この辺りも、大分セルリアンは減ってるな…やっぱりあの時以来…リカオン…!?」

ふと、リカオンに話しかけようと振り向いたヒグマはたいそう驚いた。
何せリカオンはぺたんと地面に座り、はぁはぁ、と息を荒くして苦しそうにしているのだから。

「大丈夫かリカオン!?一体どうしたんだ!?」

「ヒグマ先輩…私…きっと…悪い病気…私…しんじゃうかも…です…」

「しっかりしろ!気を確かに持て!」

既に顔は真っ赤に染まり、呼吸のペースはどんどん早くなっていく。
目はとろんとしていて、既に下半身の毛皮は濡れそぼっていた。

最初は慌てるヒグマだったが、リカオンの様子を見るたび、ヒグマはあることに気づく。

この症状…もしかして。

私に、治せるかもしれない。

「リカオン、大人しくしていろよ」