>>9
アンティークな雰囲気の喫茶店。柱時計の音が静かに響く。お客は私と彼女だけ。大量の服の入った紙袋を二人で持って、いや、彼女はさらに大きなバッグを肩に掛けていた。

「ゴメンね、新美さん。明日グアムで撮影なので、宅配も使えず、一緒に運んで貰って。」「小島さん、気にしなくていいですよ。通ってた大学の近くだったから、この辺り知ってたので。」
「じゃあ、運んだお礼に、今日は私が奢るわよ。」「ホント?それじゃあ、この「コピ・ルアク」がいいなあ。」メニューを見てビックリ。ケタが一つ違う。「普通にアメリカンに、致しません?」
「私、大学時代から通っていたけど、高くて手が出せなくて。フジに就職して初めて頂いたコピ・ルアク、ホントにおいしかった。ぜひこの香りと味わいを、小島さんにも味わってほしいの。」
痛いとこをついてくるね新美さん(苦笑)「ならば、頂きましょう!・・・でも割り勘ね。」「ふ、ふ、ふ。」