ハルキが思わず吹き出すと、エリコは顔を赤らめ、むきになって言った。
「あーっ、ひどい、笑ったわね? もちろん、性教育の授業でやった内容程度なら知ってるわよ? 要は、挿入して射精するんでしょ。だけど、そこに至るまでがなんだか……そんなの教えてくれる人いないじゃない。だいたい、杉田くんはどうして知ってるのよ」
「そっ、それは……まぁ、僕も一応男だし……そういう映像やなんかを……見たことが……でっ、でも、それだけだよ。実際どうなのかは、全然わからないし……」
「そうなの!? さっきはそんなこと言ってなかったじゃない……でもまぁ、当然か。そんなエッチなことペラペラしゃべってたら変態よね」
「はは……ま、まあね。今は特別」
「ふふ……そうよね。じゃあ、今度こそはじめましょ。基本的には予備知識のある杉田くんにまかせるから、指示してくれる?」
「あ、あぁ……わかった。なんかすごいことになっちゃったな」
「遠慮しなくていいわよ、勉強のためなんだから」
「うん。じゃあ、まずは……抱き合う」
「あら、簡単ね!」
「まだ最初だから」
二人は互いの背中に腕をまわし、抱きしめ合った。
「ねえ、なんだか……変だわ。わたし、この程度ですごくドキドキして……」
エリコは、思いもよらない気分に驚いて言った。
「大丈夫、僕もドキドキしてる」
「そう……不思議ねぇ……やっぱり、実際に体験してみると勉強になるわ。で、次はどうするの?」
「次は……キスかな」
「そ、そう……急に難易度が上がったわね」
「やめる?」
「そんなわけないでしょ」
二人はゆっくりと、顔を近づけていった。