皮を剥いて洗う姿を見られないよう隅に行って
シャワーの水流さえ当てられない過敏な亀頭を濡らした手でなで回し
後ろを通る若者たちの「なんか生ゴミ臭くね?」という話し声にビクビクしながら
なんとか脱衣所までたどり着いた
他人にうっかり見せられない皮かぶりの子供チンコを持つ空虚、悔しさ、切なさ、そして休まず溜まる恥垢・・・
それを身近な人に打ち明けるのは殆ど不可能と言ってよかった
「なんで仮性なんだ・・・」かわおは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、かわおははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい床の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰らないとな」かわおは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ふと気付いた
「あれ・・・?浴場が騒がしい・・?」
浴場のドアを開けたかわおが目にしたのは、ぎっしりと並んだ洗い場だった
みんな前を隠さず洗っている。しかも全員が包茎
どういうことか分からずに呆然とするかわおの背中に、親しげな声が聞こえてきた
「何ぼーっと突っ立ってるんだ?早く入ろうぜ」声の方に振り返ったかわおは目を疑った
「た、高須さん・・・」 「なんだかわお、居眠りでもしてたのか?」
「あなたもかぶってるんですか・・・?」 「なんだよかわお、かってにムケチンだと思いやがって」
かわおは半分パニックになりながら浴場を見渡した
洗い場だけじゃない、あの人も、この人もみんなかぶってる・・・!
暫時、唖然としていたかわおだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「夢じゃない・・・夢じゃないんだ・・・!」
高須から桶を受け取り、風呂場へ全力疾走するかわお、その目に光る涙は嬉し涙そのものだった・・・
翌日、銭湯の前で冷たくなっているかわおが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った