村西とおる氏が「不世出の監督」となりえたのは「ナイスですねえ」など、その話術によるところが大きい。「応酬話法」とは米国で生まれたセールストークの一種。同氏はこれを百科事典の営業マンだった時に
習得したという。人は何かの購入を勧められた時、
反論や疑問をある一定の「型」で返すもの。その型ごとに答えを用意して相手を納得に導くのが応酬話法だ。松坂季実子の場合は「質問話法」を駆使したという。村西氏が振り返る。
実は初対面の時はあれほどの巨乳とは気付かず、むしろその愛らしい顔立ちと気品に「この子は売れる」と惚れ込んでいました。
村西「あなたのその溢れる知性や美の価値、ご自身で理解されていますか?」
松坂「そんなの考えたこともない」
村西「考えないなんてもったいない。あなたの美しさを世に問うてみない?」
松坂「自信がないんです」
村西「自信より大事なのは世の中の評価。ちょっと自分を客観視して突き放してみない?」
私は質問のなかで出た、「自信がない」という返答に“ピン”ときた。「興味がない」のではなく、自信さえ与えてあげれば、このコは「やりたい」と思うはずだと確信したのです。