彼女を最初に見たのはマガジンのグラビアモデル、他の多くのひとたちはみな明るく微笑んでいる写真がほとんどなのに、
彼女のは違う、そして少ない笑顔のなかにも不思議な儚(はかな)さ、悲しさが感じられる。.....
その少女は、「おしん」の女性プロデューサーに見いだされ、国民的人気者になった。
でもそんなときでも、あの儚さ悲しさ不安定さは消えることはなかった。
はね駒でおもしろいエピソードを聞いたことがあります。
彼女がぼーとして前を歩いていて、由貴さんといっても振り向かない、ならば「おりんちゃん」といったらすぐ振り向いて挨拶したという話です。
自分を失ってまで、のめり込んでいる、これは女優にとって、破滅と表裏一体ではありますが、貴重な才能だと思いました。
そしてその少女は30年の時を経て母になり、女優を続けている。
何もできませんが、自分の生きている間は、彼女を見守り続けたいと思っています。