芝居はただ覚えてきたセリフをどのようにうまく話すかだけではない。どのように女優として綺麗に映るかではない。
それだけなら演技の学校へ何年も行って、優秀な専属の美容専門家をつければすむ。
芝居なんて所詮嘘っぱちの虚構、でもその中で相手との受け答えなど本気でそう思うことで、嘘を本当に近づけていく。
思い込むことによって(乗り移り型と言う人もいる)嘘を本当に変えて人の心を打つことができる。
普段はぼんやりしたお母さんという由貴さんの、それは一種の才能だと思います。
上で家族会議で女優を続けて行くことに決まったことに批判をする人がいますが、この才能を埋もれさせてはならない。
「いつかこの雨がやむ日まで」の悲しいお母さんも由貴さんなら、役に命を与えられると思います。

余談ですが、今月、亡き相米信二監督の映画祭で東北へ行かれるそうですが、相米監督は由貴さんを役者にしてくれた功労者の一人と思っています。
あいにく自分はその時期に東北にはいかれませんが、どなたか隣県の方、是非聞きに行って、どのようだったか教えていただくようお願いします。