「ヨウ子、来てくれてありがとう。もう彼来てるのよ。」
「あら、もう。早いのね。まさかいづみさん、朝からってことはないでしょうね。」
「いやね。でも本当はそれでも良かったんだけど…
 実はもう1人来てるの。」
「どういうこと。うふふ。
 それっていづみさん1人で相手にできないことないでしょう。
 以前も男性に2人とかわるがわるお相手したって言ってたじゃない。」
「バカねえ。もう1人って女よ。アブデルの彼女。
 彼が何で連れてきたのかわからないの。
 でも何だかあたしとアブデルの仲を疑ってるみたい。」
「えっ、だっていづみさんとその彼はもう男女の仲なんでしょう。
 だったら、恋人の浮気現場に乗り込んできたわけ。」
「うん、そうなんだけど…、あたしどうしていいか分からなくなって
 作家の有能先生に相談したの。」
「ええっ、有能先生って、いつか言ってた官能小説書く人。」