自動車が1台も走っていないこののどかな島で、滋賀県近江八幡市役所が空き家への入居者を募集している。いったいどのような島なのか。
船を降りて目の前に広がるのは、“昭和”の町並みだ。港から続く道沿いに、家々がひしめき合うように建ち並ぶ。
 沖島から約1.5キロ離れた対岸にある、近江八幡市の堀切港から定期船「おきしま」に乗ると、10分ほどで沖島漁港に着く。
滋賀県にある日本最大の湖、琵琶湖の沖合に浮かぶ沖島。あまり知られていないが、国内で唯一、湖で人が暮らす、周囲約6.8キロ、面積約1.5平方キロメートルの小さな島だ。
 沖島の人口は約300人。島民の約6割が漁業などの第一次産業で働いている。琵琶湖で獲れる魚の半分は、沖島の漁師によるものだ。
自動車が走らないため道は細く、信号機は1つもない。島民は徒歩か自転車で移動するのだ。