なぜか高齢なメス選ぶオス、クモで判明、利点なし
繁殖力が低いうえにハイリスク、メスのフェロモン量が変化か


理論的には若いメスの方がベターな選択だ――彼女たちは長い求愛行動を要求しないし、高齢の相手よりも繁殖力に富む。また若い個体が交尾相手のオスを生きたまま食べる確率は、高齢の個体に比べると格段に低い。

 ところが学術誌「Animal Behaviour」3月号に発表された新たな研究によると、選択肢が与えられた場合、ハイイロゴケグモのオスはむしろ高齢のメスを選ぶ傾向にあるという。

「高齢のメスと交尾することで、オスは何らかの利益を得るはずだと我々は考えていました」。
論文の共著者で、イスラエル、エルサレム・ヘブライ大学の大学院生シェヴィ・ウェイナー氏は語る。「しかしこれまでのところ、彼らがなぜこのような選択をするのか、理由はわかりません」

 研究チームは、「成熟したメスはフェロモンを多く放出することで若いオスを刺激し、交尾へと誘っている」のではないか、という仮説を立てている。

「年をとるほど、メスは必死になるのではないでしょうか」とウェイナー氏は言う。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032200127/