「オナニーをしすぎると頭が悪くなる」と言われ、人知れず悩んだ記憶はないだろうか? 実際、
やりすぎて頭が悪くなるという科学的根拠はないが、オナニーは死の危険性を孕んでいるという。
エロ雑誌やティッシュに看取られ最期を迎える「オナニー死」とは、どんなものなのか?

今回訪ねたのは、ベストセラー『死体は語る』の著者であり、30年間、監察医として2万体に及ぶ遺体
に触れてきた元東京都監察医務医院の上野正彦氏。1976年、それまで語られることのなかった
オナニー死について、上野氏が論文「性交死(腹上死)の実態」の中で発表。現在に至るまで、
オナニー死に取り組んだ学者は上野氏ただひとりで、いまだに本格的な研究はされていないという。

「オナニー死とは、まれにオナニー中に起こる突然死のことです。男性は比較的若い30〜40代、
女性は50〜60代に多く見られます」
監察医時代、上野氏がオナニー死とおぼしき変死体は、東京23区だけでも1年間に20〜30例あり、
全国で年間200〜300例はあると上野氏は推測する。
「中には変死体扱いにならなかったり、病死として処理されるケースもあるため、実際の数はこれより
も多いでしょう」
その理由として、一人暮らしの場合は現場を見ればオナニー死と断定しやすいが、家族と住んでいた
場合、警察が来る前に、家族が羞恥心からその痕跡を隠してしまうことがあるからだ。
「男性の場合、射精時には激しい運動時と同等の負担が心肺機能にかかりますから、普段元気でも
オナニーの最中に突然死んでしまう人がいる」

一方で、エイズや性教育に詳しい、社団法人ヘルスプロモーション研究センター長の岩室紳也氏は、
オナニー死には、オナニーの間違ったやり方にも原因があるのではないかと指摘する。
「最近特に、自分の手を使わずにペニスを壁や床にこすりつけたり、道具を使うといった間違った方法
でオナニーをしている男子中高生が目立ちます」
刺激ばかりを追い求めるオナニーは、体のへの負担が大きく、それゆえ死を招く可能性も高くなる、
というのが岩室氏の持論だ。そして、このままではオナニー死が中高生の間でも身近な問題になって
くるのではないか、と岩室氏は懸念する。

ソース
「サイゾー」4月号より抜粋