今度ぶつけたら、もう容赦しない。横浜スタジアムにたたきつける激しい雨を眺めていたゲレーロは、残り36試合、ビシエド抜きで戦わなければならないことへの寂しさと怒りを抑えきれなかった。
 「残念だ。自分の後ろ(5番)を打っていた彼がいなくなって、相手投手の攻め方も変わってくるだろう。(さらに)難しくなるね」

 ビシエドが死球によって今季絶望となったことは、3位・DeNAを7ゲーム差で追うチームにとっても大打撃だが、ゲレーロのショックも大きかった。
 リーグトップの30本塁打を放っているが、12死球もリーグ断トツ。これまで相手投手が中日打線で一発を警戒するのはゲレーロとビシエドの2人だった。だが、相棒がいなくなった。勝負の世界。相手投手が、打たれないために胸元を攻めてくるのは覚悟しているが…。

 「俺はもう、我慢の限界だよ」
 ゲレーロも7月26日のヤクルト戦(神宮)で右手に死球を受け、いまだに完治していない。超音波治療などで痛みをやわらげてプレーしているが、今回のビシエド離脱で怒りは頂点に達した。

 「当てられなければいいが、当てたら気をつけろよ」
 これからはもう黙ってはいない。ゲレーロが相手投手に“ブラッシュボール”を投げつけた。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20170816/dra17081605040001-n1.html