もっとも、ここ数年のNPBにおけるトラッキングシステム導入の流れを考えれば、フレーミング能力の解明は徐々にでも進んでいくだろう。
それによって、捕手の守備評価に一石が投じられることはおそらく間違いない。また、これまであまりスポットライトが当たらなかった選手が注目を集めるようなことがあれば、それは非常に喜ばしいことだ。

 一方で重要なことも忘れてはいけない。捕手のフレーミングは、あくまで審判が完全無欠のロボットではないことを逆手に取ったスキルだ。
もし、将来的にストライク・ボールの判定を機械が行うようになったら、その瞬間からフレーミングという技術はなんの意味も持たなくなる。現に、MLBでは「Electronic strike zone」導入の必要性を訴える選手もいる。

 実際にはそんな時代が来るのは何年後になるか分からないし、永久に訪れないのかもしれないが、潜在的には、フレーミングはそういった脆さもはらんだものであるということだ。そのことを念頭に置きながら、今後もこの分野の探求に関心を持って取り組んでいきたい。

※データは2017年8月14日現在
https://baseballgate.jp/p/111101/