寒さや空腹・喉の乾きに耐える女の子
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炎天下、水分補給なしで激しく運動させられたり
雪の積もる中裸足・裸で連れ出されたり
食事を著しく制限されてしまったり 昨日は爺ちゃんの三回忌だった、というわけでこのスレ向きの話を一つ。
結構むごい上にハァ?な話だが実話。 爺ちゃんの姉、淑美(よしみ)さんの話。字は違うけどね
学校での写真を見せてもらった事があるけど、痩せ気味でもまあいい感じだった。
いかにも田舎にいそうな芋娘ではあるけど、笑顔に笑窪と八重歯が合って、
およそ他人に嫌われるタイプじゃなさそうだった。
この話、爺ちゃんから何回かに分けて聞いた話だから変なトコあるかもしれん。
時は大正か昭和初期か。
うちの田舎は元地主だったけど、廃藩置県で土地を全て取られ、
それ以降も訳のわからない理由で金が消えていったそうだ。
親父さん(曾爺)は役所勤めだったが、それでも金が無かったと。
母親もそれは苦労したそうで、ついにある日、過労か重度の腰痛で世を去った。
爺ちゃん7歳、淑美さん11歳の時。 母親が死んだ為、その仕事は全て淑美さんが受け継いだ。
家事などは前から手伝っていた為に問題はないが、母親を死にまで追い詰めた家計があった。
はじめは父親の僅かな金をやりくりしようとしたが、どうにもならなかったらしい。
結局淑美さんは13の歳で働きだした。
学校に行った帰りに清掃のバイトのような仕事をしていたとか。
(あくまで仕事帰りの体から雑巾の匂いがした、という事からの推測らしいけど)
さらに家に帰ると食事の支度、洗濯などの家事。遊ぶ時間は無さそうだった。
爺ちゃんは母親がいたときより生活が楽になり、毎日野遊びしていたというのに。
それでも淑美さんは、いつでも楽しそうにしていたらしい。
おかげで爺ちゃんは彼女の苦労など想像もしなかった。母親の死が薄れ始めていたのかも。 でも少し経つと爺ちゃんは、その姉の仕事に不満が出てきた。
晩飯のとき、一家は僅かな米を3人で分ける。
といっても父親は帰りが遅く、三人一緒に食事をすることはほとんど無かったそうだ。
米の分け前は、まず一家の主である父親が半分。
そしてその残りの半分を、姉がほとんど取っていると思ったとか。
原因は淑美さんの腹。
当然風呂なんて無いから、体を洗うには桶に水を汲み、庭先で素っ裸になってタオルでこする。
その時に見える姉の手足は確かに細かったが、下腹がぷくんと膨れていたそうだ。
爺ちゃんがそれを掴むと、淑美さんは「いたい、いたい」と困ったように笑ったらしい。
極度の飢餓で腹が張っていたんだと思う。
爺ちゃんはその事が不満で、でも口には出さずに拗ね、そのうち倉庫として使われていた
離れで暮らすようになった。アオダイショウ(大蛇)がいるとこ。 で、ある日淑美さんが食事を運んできた。メザシ一匹、野菜の煮物とご飯一杯。
それを前にして爺ちゃんは腹が立った。
姉は一体どんないい目をしているのか?
自分の眼がなくなって数週間、一層好き放題しているだろう、と。
そう考えた爺ちゃんは家の裏に回り、姉の食事風景を覗き見ることにした。
淑美さんはしばらくタンスをごそごそ探っていた後、台所へいって食事を居間に運んだ。
その食事を見て、爺ちゃんは目を疑う。
煮物とご飯わずか2口分。
メザシも無し、おまけにその煮物には芋が見当たらなかったそうだ。
唯一食べた気のするそれのかわりに大根やゴボウばかり。 淑美さんはそれをちゃぶ台に置き、続いて鞄から教科書を取り出した。
正座して手を合わせ、「あぁお腹へったわや〜(方言)」と嬉しそうに言う。
雀の涙ほどの食事を時間をかけて食べつつ、目は教科書を追う。
そして食べ終わるとちゃぶ台を片付け、今度は毛玉を取り出した。
計画表のようなものを確認して毛玉を回し、小さく溜め息をつく。
たぶん内職もしてたんだと思う。毛玉とか買える地域じゃなかったらしいし。
それを見続けた爺ちゃんは離れに戻り、サツマイモにジャガイモのゴロゴロ入った煮物を食べた。
その後も淑美さんは勉強と内職は続けていたとか。
高校へは行かないと口癖のように言っていた割に、家族の目を盗むようにして勉強していたそう。 それから淑美さんは、他人の目のないような所でも明るく振舞っていたらしい。
爺ちゃんがいまいち同情できなかったのもそのせいだ。
誰かの前でも終始楽しそうにし、食べ物の事で不平を言う弟にたまに卵粥(贅沢品)を作ったり、
父に内職のついでに作ったであろう手袋をプレゼントしたり。
ただ、その空元気は周囲に誤解を招いた。
田舎では淑美さんほどではなくとも事情を抱えた子が多く、いつも幸せそうな彼女は異常。
いじめられてたらしい。
これだけは爺ちゃん本人が友達から聞いた噂で確か(田舎っ子の噂だし)。
事実、淑美さんが他人ん家のボットン便所にはまったという事件もあったらしい。
バキュームカーで吸い上げたのかは知らんが、この時ばかりは彼女も一週間喋らなくなったとか。 それから数年、爺ちゃん13歳、淑美さん17歳の頃。とうとう淑美さんは潰れた。
爺ちゃんが家に帰ると、誰もいないはずの家の戸が空いていたらしい。
中を覗くととんでもない悪臭。
そこには姉が全裸で倒れていたらしい。
四畳の部屋一面に血交じりの嘔吐物を撒き散らし、喉に指を突っ込んだまま気絶していた。
何度ものたうち回ったのか、長い黒髪にも白い物がこびり付いていた。
そして嫌でも目がいくその局所には、前にも後ろにも蛙やヤモリが詰め込まれていたとの事。
性的ないじめを受けていたのはもう疑い様がない。
変な噂が立ち始めた頃から考えて、少なくとも4年以上に渡って。
その辺はラブホとか節操無しの暴走族が多いので有名だし。 淑美さんは意識不明の重態で運ばれ、一命は取り留めた。
でもその後は今で言う重度の鬱病状態で通院生活を送った。
そこに来て爺ちゃんは初めて真面目になり、部落差別問題などに貢献し、
若くして市長に推薦されるほどになった(断ったらしいけど)。
その爺ちゃんの演説中、淑美さんは静かに息を引き取った。
38歳の時。
こんだけ。特に寒さ系は知らんけど、まあ暖房もないまま冬を過ごしてたし…。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています