当時高校生だったドクオ(おれ)の部屋には大きな本棚があった。もともとは親父のお古
で、大半はオレが使っていたが、それでもまだ空きがあったので、一部姉貴も
使っていた。普段はあまり読まないような本ばかりを入れていたようだが、そ
れでも時々オレの部屋に取りに来ることがあった。

ある夏の日の午後、家人が誰もいないと思っていたオレが自室のベッドでオナっ
ていると、ノックもなく突然姉貴が入ってきた。
「あ、いたんだ。いないと思ってた」
オレは慌てて布団を引っかけたが、姉貴はすぐに何をしてたか分かったらしい。
「あらゴメンね。続けていいわよ。本取りに来ただけだから」
「バカ、いきなり入ってくんじゃねェよ!」
「しょうがないでしょ! いないと思ってたんだから」
姉貴とは4つ違いだが、普段から特に目上として接していたワケではなく、恥
ずかしさをごまかすためにもオレはあえて乱暴に応えた。
「テメェ、しゃぶらせんぞ」
「あらぁ、アンタ、そんな態度に出るワケ?」
「な、なんだよ…」
「アンタがクローゼットの中に隠しているモノ、知らないと思ってる?」