市川くんのパンツが私に向かって投げられた。
キャッチした手に、パンツの布地がさっきのヌルヌルでペタリと張り付いた。
私の心臓の音も周りのみんなに聞こえているんじゃないか、そんな気がして恥ずかしかったけど、私はそのとき夢中で男の子のパンツの匂いを嗅いだ。
甘いような、酸っぱいような不思議な匂いだ。
汗やおしっこのような匂いもするけど、けっして嫌じゃなかった。
それよりも、その奥にあるなんともいえない性的な匂いが私の鼻孔の奥を直撃した。
ヌルヌルとした男の子の性分泌液には、女の子をうっとりさせるホルモンのようなものでも含まれているのだろうか。
由佳様が「男の子の匂い」と言ったのが分かった気がした。
パンツは十数人の女の子たちの手に順に回され、その「男の子の匂い」を吸い込んだ女の子たちはみんな淫靡な表情を増すように見えた。
女の子の手で全裸にされ、自分のパンツの匂いまで嗅がれて、市川くんは恥ずかしそうに俯いて真っ赤になっている。

「恥ずかしい?私のことをフるなんて馬鹿な真似したこと、少しは後悔したかしら。でも、まだ許してあげない。私に恥をかかせた男の子は、もう男の子として生きていけないようにしてあげることに決めたんだから」
さっきよりも表情に淫靡さを増した由佳様は、カバンからまち針のセットを取り出した。
その中の一本をつまむと、由佳様は市川くんの前に跪いた。
「見ていなさい。」由佳様はそう言うと、左手で市川くんのおちんちんの袋を掴み、絞り上げた。
そして、何をされるか理解した市川くんがうめき声でやめるように頼む顔をうっとりと見つめながら、2つ浮き上がった玉のひとつに、その針をずぶずぶと突き刺していったのだ。
「おおおおああああ!!」市川くんが叫ぶ。かたく閉じた目から涙がこぼれる。
由佳様の長いまち針は、あっという間に精巣を突き通してしまった。
由佳様は、苦悶に体をびくびくと痙攣させる市川くんの姿に満足したように立ち上がると、まち針を私たちに配り始めた。そして、全員に針を配り終えると、こう言った。
「あなたたちもやりなさい」

  (以下略)