「なんか、おかしな気分になってない?」
 修一君は私の隣に座ると、教室でしたように、私の髪に指を絡めて遊んでいる。
 おかしな気分・・・?
 あ・・・っ?!
 ちょ、ちょっと・・・!
「おしっこ、したくなってきたでしょ?」
 な、なんで、それ、わかるの・・・?!
「さっきの紅茶にね、ちょっと、ハーブを混ぜておいたんだ。利尿作用ってわかる?おしっこが出やすくなる成分。むくみもとれるし、ダイエットにもいいんだよ?」
 そういわれると、急に、催して・・・!
「ごめんね、こんないたずらして」
 修一君、少し、切なそう。
「ほんとは普通にうれしかったんだ、つきあってほしいって言われて。でも、俺、好きな女の子には、こういう、ううん、もっと酷い悪戯がしたくなるんだ・・・。ごめんね、こんなだますようなことして」
 修一君・・・?
「優菜さん、俺と付き合いたくなかったら、トイレ、扉出て左だから、寄ってそのまま帰っていいよ?」
 優菜、さん・・・。
 さっきは呼び捨てで呼んでくれたのに。
「ごめん、勝手なこと言って。でも、もし、俺と、こんな変態な俺と、付き合ってくれるなら、このまま優菜がおしっこを我慢する顔が見たいんだ」
 おしっこ・・・我慢・・・?
 それだけで、いいの?
 優菜、って呼び捨てにされると、なんだか、胸が熱くなって、キュンってする。
「そ、それくらい、なら・・・」
「今日は、それだけで、いいから」
 今日は、ってところが、ひっかかったけど、修一君が少しうれしそうな顔をする。
「うん、よく、わかんないけど、修一君が見たい、なら・・・」
「ありがとう、優菜」
 ぎゅって抱きしめられる。
 さっきより、さらに胸がキュンと締め付けられるような、甘い感覚が体を走り抜けた。