「ねぇ、このシチュエーションってとっても興奮しない…?」
麻由子がしどけなく髪を掻き上げながらまさみの耳元に囁く。
麻由子のプリーツスカートは再び乱れ、露わになったキュプラ地の裏地が男の脇腹を擽っている。
「ふふ…、麻由子って可愛い顔をして私なんかよりもずっと残酷よね…」
そう言いながらもまさみの方も、快楽の泥沼に突き落としてやった男の羨望と哀願の視線を感じながら、パンティを濡らしている。
女たちはひととき禁断の快楽を楽しむと、名残惜しそうに身体を引き、立ち上がって乱れた服を整えた。
麻由子がスカートのリボンをゆっくりと腰で結び直す中、まさみは瀕死の男の首根に黒いブーツのハイヒールの踵を置いた。
「うっ…やめてくれ…」
男は堪らず片手を伸ばして命乞いする。
ストッキングに包まれた美脚とひらひらレースに飾られた黒いペチコート、つるりとしたワインレッドのパンティが男を見下ろしている。
まさみがハイヒールの踵に体重を乗せようとしたとき、麻由子が男の下半身を指差して呟いた。
「まさみ、見て。」
まさみがふと目を向けると、男の下半身の周りが精液の海と化し、さらに亀頭は赤みの差した粘液を流していた。
「かわいそうに精が尽きてしまったのね…」
まさみは冷たく男の下半身を見下ろす。
「面白いからこのまま放っておかない?どうせすぐに出血多量で死ぬんでしょうけど。」
麻由子が悪戯っぽくまさみの耳元に囁いた。
「いい考えね…。」
まさみは麻由子向かって微笑み、ハイヒールの踵を男の首から外しかける。
男の顔が安堵で緩んだ。
次の瞬間、
バキッ…
まさみは非情にも一度外しかけたピンヒールに体重を掛け、男の脛骨を踏み潰していた。
「え…?ぎゃあっ…!」
男は短い悲鳴を上げると、信じられないという表情のまま痙攣を起こす。
「ばかね…散々私の口の中で楽しんでおいて生きて帰れるわけないでしょ…」
まさみの蔑んだ視線に晒されながら男は白目を剥いて息絶えた。
それでもまだ、死んだ男の陰茎はまるで別の生き物のようにびくびくと脈打ち、赤い粘液を迸らせていた。