第弐話

        【 悪鬼の宣告 】



     「 ビーーーーーーーッ!! 」

  間もなくして低い警報音がした。
  すると、部屋の天井の一部がぽっかりと割れて開いた。
  そして、そこから一条のクレーンが天井を降りてきて、
  開いた空間から香織のいる室内へと延びてきたのである。
  クレーンの連結部分が香織の入れられている檻の天井部分に連結された。
  すると 鈍い駆動音とともに、索鎖がぴいんと張って動き始めた。
  それに伴い香織が入れられた檻は、空中へと引き上げられ、
  先ほど開いた空間から見える上の部屋へと運ばれていった。
  香織を入れた黒い金属の檻が索鎖に曳かれて上の室内へ移動して来た。
  香織は見えるわけもないのに、目隠しをされた顔を左右に振り状況を知ろうともがいている。
  ここにも檻がある。
  しかし1つや2つではない、今香織が入れられているような、
  上下四方を金属格子で組んだ犬をいれるような小さな檻が10段ほど積み重ねられ、
  その「檻の柱」が室内の右側と左側それぞれの端から端まで隙間無くビッシリと並べられているのだ。
  内部に白