とある高校の女子トイレ。

「もう許して…お願い…」

衣類を引き剥がされ、全裸でトイレの床に跪きながら、健介は必死の形相で許しを乞うていた。

その顔は青黒く無惨に腫れ上がり、凄絶な暴行の様子を証明している。
美男子と言われた彼の面影はどこにも感じられない。
大量の涙や鼻水、血液が、その醜さを一層増幅させていた。

「助けてくらひゃい…。おねが…ひぎゃっ!」

もう一度許しを乞おうとしたが、言葉は途中でその途中で遮られた。
健介の背後に立っていた1人の女子の右腕が、健介の後ろ髪を鷲掴みにし、その細い腕に似つかわしくないほど力強く、そして粗雑に引っ張っ上げた。

健介は膝立ちの状態になり、驚きと恐怖で混成された悲惨な表情と無様な裸体が再び彼女達の目前に晒された。

「許して?さっきまではやれるもんならやってみろとか言ってなかったっけ?なあ?」

美咲は髪の毛を掴んだ右手をもう一度捻り上げながら言った。

「うあう…ひっい痛いひぃ…ごめ…なさ…ごめ…」

美咲の尋問に怯え、ただただ喚くばかりの健介。
その姿を軽蔑したような眼で見下しながら、陽菜は健介の顔に唾を吐きかけた。

陽菜の生温い唾液が健介の顔面を濡らした。
しかしその跡は、すぐに彼の体液と混ざり見えなくなった。

「気持ち悪い…」

口唇を指先で拭いながら、陽菜はつい先日まで付き合っていた、好きだった男に罵声を浴びせた。