「さあ みんな並んで 背中を流してあげる」
亜季は一列に並んだ児童達の背中をタオルで流し始める。

「きもちいい?」
「うん 先生は僕たちの奴隷だね」
「あら だめよ そんな変な言葉覚えちゃ」
「えっ?ちっとも変じゃないよ。歴史で習うんだよ」
「あら、そうだったわ。誤解しちゃった」
「ごかい?変なの。僕わかんないや」

「先生 足がくちゃいよぉ」
一人の児童が何気なく呟く。

「えっ?」

「ほんとだぁ 先生くちゃいっ!」
「くちゃいいいっ!」
「足がうんちみたい」

「やめてぇ そんな酷いこというの」
亜季はあわてて取り繕うとするが騒ぎは収まらない。
風呂場は「くちゃい」の大合唱となる。

「何を騒いどるんだぁっ!」
風呂場の入口を見ると顔を真っ赤にした校長先生が立っていた。

やだぁっ もう ゆるして ほしいの