>>723続き
校舎の玄関に入ると、青白い顔をしたヒョロヒョロの青年が出迎えてくれた。

「おはよう。山田鉄平くんだね?」

青年の態度はどこかオドオドしている。
表情は暗く、何かに怯えているようだ。
話す声も小さい。

「おう。あんたは?」

キョドる青年に、鉄平は訝しげな顔で横柄に答えた。

「ボクは内田吾郎。ここの用務員だよ。
職員室に案内するから、付いて来て」

「失礼します」
吾郎が職員室に入り、鉄平もそれに従う。
中には2人の女性教師がいた。
2人とも吾郎と鉄平を一瞥する。
吾郎の緊張が今ではハッキリと判る。

「山田鉄平くんが、ただ今到着しました」