「あの事、予定は大丈夫?」
「大丈夫。けど近づいてきたら・・・人前でって、その・・・」
「昼間の真面目なボランティアだってば。身の危険なんてないから。」
「だけど、(自分の)裸をたくさん(の人達)で注視へ晒すなんて怖いよ。ねぇ、自信が…自信無い。」
「心細いよね。確かにワタシ振られのを譲ったんだから。気が重いよ。
 ただ、押付け嫌がらせじゃない・・・。この話、予定変って都合付かなかったのも別な家の事情・・・
 知ってるよね。身内の懇願も納得出来ること、ダメ、嫌なことを全部話したよ、他人の前で晒け出す、
 もう大袈裟、面倒だ、と呆れられ位言って<身の安全、プライバシー>納得で受けたんだから。
 ・・・勝手だと思うよ。ワタシ信頼してくれるヤツ、落ち着きある人って頼れるの他に居ないし。
 約束を守れる人って…」
言い終えて下向いた。
二人とも下向いていた。
「解ってる、大丈夫だよ。ちゃんと行く。」

髪乱してパーティドミノマスク一つ、同じポーズをとって長時間裸体晒す、学生達のデッサンモデル。
様々なポーズに応え長い静止に耐える意外な重労働。
十代の素人起用は貧しい懐具合からーワタシー目的ではない。
「張りのある瑞々しい様子でインスピレーションを刺戟しよう。」
多少の我儘勝手を言い放つとプロの様子を聞かされた。
思う不安を吐き、条件付けで引き受けた。不安怯えは逡巡したけど約束は約束だ。
そこへ身内のつまらない財産相続会議への呼び出し・・・。
長い話し合いの末妥協したものを些細な戯れ言でも流すには言いえぬ蟠りがあった、
『自分の身勝手と思われるのは厭。』
浮かんだのは日時の変更か…代理をたてる、そう、委員長を。